シーズン4の雑観とプロシーンの予想
さてシーズン4が始まってようやく少し時間が経ち、大分各キャラクターの変更点などが把握できてきた頃ではないでしょうか。勿論噂ではありますが、さらなる追加の調整があるのではないかとも言われているので、現時点での予想になります。例年通りであれば調整した数ヶ月後に微調整を加えているので、今年もそのような形式になるかもしれません。
今回は2019年活躍するキャラクター達やプロゲーマーを予想していきたいと思います。
(文字の関係で敬省略させて頂いております)
現状のキャラランク予想
僕の暫定的なキャラランクをまず示してから、本題に入っていきたいと思います。
(2019年1月8日時点の予想)
一強として豪鬼を選びました。
これには理由があって、恐らく理論値を取ると豪鬼はザンギエフ以外には五分以上の組み合わせしかないからです。
恐らく今回1キャラクターのみでCPTを優勝出来るのは豪鬼、ラシード、いぶき位なのではないかと思っています。もしかしたら是空がそこに食い込める可能性はありますが、やはり老状態のパワー不足感は否めません。
その下にはS3から強かったキャラクター達や、強化されたザンギエフを加えています。逆にキャミィ、ガイルはアビゲイルやメナト、ラシードなどと比べると大分弱くされてしまったなという印象が強かったために、さらに下の位置にしました。ただし実際にはキャラクター相性の部分が大きく、二段目と三段目のキャラクター達は変わらずCPTで見ることになると思います。
シーズン4の展開予想
キャラランクで示したように、豪鬼が抜きん出て強いと考えています。ただし実際には豪鬼でCPTを優勝するのは並大抵の練度では難しく、それほど優勝する人数は多くないだろうとも思っています。
それは豪鬼というキャラクターが、プレッシャーのかかったハイレベルの試合の中で常に正解の選択肢を取り続けなければいけないキャラクターだからです。
豪鬼というキャラクターは全ての距離、全ての局面で正しい選択肢が用意されている万能タイプのキャラクターです。通常時の立ち回りも強力な上に、トリガーの逆転性能も高い代わりに、体力スタン値ともに900です。それゆえ昇竜対空のミスや判断ミス、さらには立ち回りでの選択肢選びでの間違いで一気に負けてしまう不安定さも持っています。
他にもバランスタイプの環境キャラクターとしては、ラシードやいぶきが挙げられます。
ラシードやいぶきは体力とスタン値の面で豪鬼よりも安定感があり、また取るべき選択肢や幅が、ある意味で制限されているからこそ強いムーヴを押し付けるのに集中することができます。この実践での力の発揮しやすさでCPTの優勝は左右されるのではないかと考えているので、豪鬼を使い続けている者でないと練度不足で勝てないのではないでしょうか。
ザンギエフ、バーディー、アビゲイルのデカキャラ
この3キャラクターは個人的にかなり環境トップにいるのではないかと予想しています。
弱体化されたアビゲイルですが、火力は依然として高いままで、通常技のリーチも弱くなっていないのでまだまだパワハラ出来るキャラクター相手には無類の強さを発揮すると思います。
次にバーディー。
トリガー2が強化され、確認出来る長い立強pからキャンセルして破格のリターンを得ることが出来ます。さらに弾持ちキャラクターや通常技のリーチが短いキャラクターへの抑制力が高過ぎます。
相性が悪すぎて勝負にならないというような組み合わせも殆どないため、安定感だけで言えばデカキャラトップだと思います。
そして強化されたザンギエフ。
重要な強化点としてダブラリからの起き攻め、弱スクリューの威力20アップ、立中pのリーチ、判定強化があります。
確かに安定感はないものの、特筆すべきなのは“豪鬼に対して明確に有利をつけている”という所です。
豪鬼に対して相性が悪過ぎるキャラクターを使用しているプロゲーマーは、豪鬼ピンポイントでザンギエフを練習する可能性まであると思っています。
キャラ格差は少なくなってきている
キャラ格差自体は少なくなってきています。つまりは良いゲームになってきているのです。そのためキャラランクよりもむしろキャラ相性の方が重要になってきます。
今回は便宜的にあのようなキャラランク表を作成しましたが、実際には相性次第で全然戦えるキャラクターと、そうでないキャラクターが出てくるはずです。
しかしながらキャラ格差が少なくなってきているが故に豪鬼、ラシード、いぶき以外のプロプレイヤー以外は必ずサブキャラクターを練習しなければならなくなったとも言えるでしょう。
去年のプロブレムXやももちのように、相性補完の良い2キャラを仕上げてCPTに臨むスタイルが今年はより多く見られるのではないでしょうか。日本人の多くも2キャラ以上をCPTで使うようになるのではないかと思います。
活躍プレイヤー予想
今年もときど、プロブレムX、ガチ君、藤村は安定して上位にくると思います。また強化された是空を以前から使い続けているアングリーバード、ももちも目立つ可能性があります。
逆に心配なのは梅原、sako、ナックルドゥあたりでしょうか。プレイヤーの腕の問題ではなく、単純に使用していたキャラクターが弱くなってしまっていることからです。特にガイルは以前から少しキツいと感じていただろう組み合わせがさらにキツくなってしまったはずです。sakoメナトに関しては、トリガー3本という調整が今までの戦略、立ち回りを大幅に変更しなければいけないことがあります。Justinのスタイルであればそれほど立ち回りの変化はないと思いますが、積極的にコンボを決めて倒していくスタイルのsakoスタイルでは今回のメナトで優勝するのは難しいのではないかと予想しています。
これからEVO JapanやCPTが始まっていきます。
2019年のストリートファイターも、とても楽しみですね!
【報告】1/6しょげイベ講習会の模様
1/6、しょげイベ講習会にてまたも講師役を務めさせて頂きました。
しょげぴーさんをはじめ、スタッフの方々、参加された皆様にも非常に感謝しております。
以下が放送アーカイブになっています↓
(講習会は大体5:18:00~)
講習テーマとしては「地上戦を楽しもう」ということで、考えながら技を振るようにしてみようというものでした。以前ブログで書いていた内容を改めて文字以外で実践してみるようなことも出来たので、講習会でしか出来ない見せ方だったと思います。
(講習会の模様)
また講習会後はしょげイベ恒例の2on大会の実況も担当させて頂きました。
特に最後の決勝戦は大盛り上がり、僕も喉を枯らすほど叫んでしまいました…(ごめんなさい)
優勝した「りょた」さん、「Ambivalent」さんおめでとうございます!
ちなみに僕は叫びすぎてこんなコメントついてました…
とにかくとても楽しい時間を過ごせました!
こうした初中級者イベントが盛り上がっていくことが格闘ゲームの裾野を広げていくことに繋がると思います。少しでも力になれるように頑張っていきたいと思います。
この度はありがとうございました!
皆様に感謝致しまして、2019年一発目のブログ記事とさせて頂きます。
新登場!影ナル者紹介!
ついに新キャラクター、影ナル者が追加されましたね。今回はこのカゲの各種技や特徴について紹介していきたいと思います。
“影ナル者”
まずは基礎ステータスから。
体力:900
スタン値:950
前ステップ:16f
バックステップ:21f
体力が900と全キャラクター最低のラインで豪鬼、キャミィと同じ体力。
ステップ関連や歩きなどは低体力キャラクターということもあり、高水準になっている。
次はVトリガーの紹介。
VトリガーⅠ“大逆無道”
Vトリガー2本で発動出来て、何もしなければ3000F発動状態が続く。
性能は大きく分けて2つ。
1つはこの阿修羅閃空で、各種通常技や必殺技をキャンセル出来る。普段は繋がらないはずのコンボが阿修羅によって繋がるのは見栄えも良くカッコいい。
Vゲージ消費量は生発動で500F、キャンセル発動で1200Fの消費。つまりキャンセル阿修羅は大体2~3回使える程度か。
またトリガー1中はVスキルが強化され、普段のモーションから変わり突進する正拳突きとなる。こちらもタメが可能で、ガード時溜め無しが±0、溜め有りが+6fとなる。ちなみに画面端ならこの強化Vスキルから追撃が可能で火力アップが見込める。
しかしながら突進技で少なくとも±0、溜めれば有利フレームが取れる技となると念入りに燃費も悪く設定しているようで、Vゲージを1500F消費してしまい2回しか使えなくなっている。(強くさせないぞという強い意思が感じられる)
基本的な使い方は単純なコンボ火力のアップに使うか、強化Vスキルに使うかを選ぶ形になる。
火力アップと言っても、弱昇竜からもう一度弱昇竜やEX昇竜を繋げたり、灼熱波動からの阿修羅キャンセルから追撃したりが主なルートになる。
空中EX竜巻や空中波動からもコンボがあるのだが、状況が限定的な上にそれほど減るわけでもないのでミスする位なら地上の安定コンボで良い。
ちなみにVスキルでコンボを締めるのもオススメしない。なぜならせっかくの突進の圧力をコンボに使ってはもったいないからだ。
特にダメージもそこまで変わらないので、基本的にはこのVスキル突進を運用していくのがVトリガー1の基本的な運用方法になるのではないか?
VトリガーⅡ“六道鏖殺”
トリガー3本で発動可能となる。
トリガー2中はトリガーボタンを入力することで、“禊”という特殊技が使用することが出来る。
性能は生発動で発生は33f、10f~33fまで無敵が続き、相手の頭上から急降下する技。
ただし基本的には生発動は狙えない。理由は発生が遅い上に、見てから普通に昇竜拳が間に合ってしまうからだ。
基本的には各種コンボの締めに使ったり、牽制の技に仕込んだりして使うのがメインとなる。
当てた後の状況は豪鬼の強化豪昇竜に近く、受け身固定で+43fの状況になる。
この状況からは中p(空振り)→中段持続当て+3fからのコンボや、波動空振りから+3f状況の投げと打撃の択をかけることが出来る。
例)
TCからVトリガー発動コンボして、持続中段から起き攻めが通ればワンキル!!
— 勇利 (@gorimusou_SF5) 2018年12月24日
影は強キャラ…!!
って、最近の流行りにちょっと便乗したくなっただけだから許して
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そしてトリガー2はもう1つ使える技がある。
それが“瞬獄殺”だ。
影の瞬獄殺は1f発生で威力400、さらには豪鬼のものと異なり、コンボに組み込める使用の投げ技になっている。(ザンギエフのCAような仕様)
当然発生は1fなので、例えば牽制の立中kがヒットしていた時だけ確認したり、中足ヒット確認から繋げたりなどが可能。
当然強力なのだが、いかんせんトリガーとCAという全てのゲージを払った上での行動である。そりゃ強くなければ使わないだろう。
実際のところの使用感は豪鬼のトリガーから昇竜強化だけ貰いましたというような感じ。立ち回りの強化に殆ど繋がっていない上に、二回しか使えずに逆転力に乏しい。体力900のキャラクターならばもう少し強いVトリガーでも良かったのではないか。
とりあえず強い技
☆5
屈中p
発生5f、硬直差+3fという驚異の固め性能
屈中p→屈中pがバクステ出来ずに地上食らいしてしまうため、読み合いが必要に。
またここからの中竜爪と強竜爪がぼったくり連携になる。
中竜爪が3f暴れには相打ちとなり、より高いコンボが入る。また4f以下は中竜爪がchし弱kからさらにコンボが繋がってしまう。
それを嫌がってボタンを押してこない相手には図々しく強竜爪をガードさせ+3fを取り攻めを継続させる。
ファジーコパ(中竜爪ガードするタイミングでコパを押す)ことである程度対処可能だが、歩き投げを混ぜられると狩られてしまう。
☆3
天魔空刃脚
ジャンプ強kの判定が強い上に、空刃と空中波動、空中竜巻を混ぜることによって相手の対空の的を絞らせないことが可能。
これによって飛びでの圧力をかける。
また影の空刃脚は、当たればほぼ確実に3f技が確定するため相手の通常技対空をスカして、逆にこちらのコンボを叩き込む事も可能だ。
☆2
前強p(鬼哭突き)
発生9f、クラカン属性でガード-4f。
一部のキャラクターは確定反撃が難しい。4f技が長いキャラクター相手には控えるようにしよう。
ヒット確認+立ち確認でタゲコン2段目に派生することが可能なので、状況を見てからしっかり派生するように。
影の対策としては、まず屈中pからのぼったくり連携を咎める。そして強竜爪をガードしてしまうことだけは避ける。
ここのぼったくりだけでもしかしたらある程度は勝てるようになるのかもしれないが、止めてくる相手には通用しない。
結局は丁寧に立ち回ることが要求されるキャラクターなので、要所で甘えられる技もなく非常に難易度の高いキャラクターである。
実際のところ、プロがCPTで使うほどのキャラクターではない。次のアプデに期待しよう。
今回はここまで。
新生リュウ爆誕!
ついに調整が…!シーズン4のリュウ!
もう“たかし”と揶揄されていた今までのリュウはいません。生まれ変わって、真のリュウとして帰ってきました。
今回はS4でリュウに加えられた調整を詳しく見ていきます。
テンション上がりすぎて震えてます…(西野カナ現象)
調整項目
特に重要な変更点を見ていきます。
1.中足のヒット硬直差+2f
→これにより中足がヒットしていた際に、より波動拳が繋がりやすくなった。またカウンターヒットした場合+4fとなり、立弱kやノーキャン昇竜が繋がるように。
2.波動拳の硬直2f減少、ガードバック拡大
→波動拳の硬直が2f減少したことにより、より波動拳を飛ばれにくくなった。
→ガードバックの拡大によって、弾撃ちでラインを押すことも出来るようになった。ガードバック拡大は安全波動を撃てるかにも関係するため、弾撃ちの判断にも大きな影響を与えることに。
3.波動拳の緩急がより明確に
→弱波動は遅く、強波動は速くというウル4にもあった調整で、弾抜けがしにくくなったのはもちろん、垂直飛びに対しても踏ませやすくなった。遅い弾をガードさせれば、より大きな有利フレームを作ることが出来るため、硬直が2f減ったことも相まって弱波動が非常に強力な選択肢に。
これにより中距離以遠で弱波動をガードさせると、次の波動拳が飛べない安全波動になりやすくなった。
4.EX竜巻から起き攻め可能に
→S3まではその場受け身に±0、後ろ受け身に+5fという状況で、起き攻めが出来なかった。
S4からはその場+2、後ろ+7fで距離が近いという状況に変わり、起き攻めが可能となった。
5.足刀のコマンド変更、発生強化、EXの前進距離増加
→コマンド変更によって、歩き屈中kや離し入力から暴発しやすかった足刀が改善。またS2まで存在した、立弱kに真空コマンドを仕込むことでの立弱kCA仕込みが復活。
→発生強化により小技から弱足刀が繋がるように。これによってリュウの高性能な立弱kからダウンを奪え、地上戦の技振りに幅が生まれた。
→EX足刀の前進距離が増加したことで、今まで入らなかった距離からのコンボ火力が爆上げ。仕込みでも当たりやすくなったため、全体的な火力アップに。
<まとめ>
波動拳の強化によって、相手をより弾撃ちで動かすことが可能になった。
また足刀が通常技から繋がりやすくなったことで、置き技からリターンが取れやすくなった。そして中足波動の強化で前に来る相手に対しての抑制力が増加。
攻めや崩しに関する方向では大きな調整はなかったが、全体的に立ち回りを強化する調整が入った。トリガーで一発逆転、ではなく立ち回りからしっかりダメージを積み重ねて勝ちなさい、という開発からのメッセージか。
これでようやく胴着キャラクターの差別化が上手くされるようになった。
ただぶっちゃけ、まだまだ豪鬼の方が強い。
S1→S2のようなダルマ調整にしなかったのはCAPCOMも学んだのだろう。
これで良いと思う。
上を下げて、下を上げるという方向性が見えたし、今回は上のキャラクターも下げすぎていない。まだまだ戦える水準にいる。
今シーズンのリュウは確実に真ん中より上、つまり中堅上位に位置するキャラクターと言っても良い。
ただ実際には、リュウにとってあまり相性の良くないバーディー、豪鬼、ベガ、メナト、ラシードは依然として上位にいると予想。恐らくリュウの1キャラのみでトーナメントを勝ち上がれるほどの爆発力はない。しっかりとピンポイントでカウンターピックを用意して、対戦に臨むのが次のシーズンではないか。
ちなみに僕は…
“臭ってる”アレックスとのダブルメインで行きます。
リュウの調整遍歴
今回はリュウのこれまでの調整と今後のリュウに望む部分を解説していきたいと思います。
今回はかなり私情が入るので、時おり口が悪くなるかもしれませんが留意してください。
シーズン1→シーズン2
絶望的なまでの下方修正が加えられ、トップ層から最下位ランクへと叩きつけられた。
持っていた武器をことごとく無くされ、四肢をもがれたという比喩から別名ダルマ調整とも呼ばれました(一部で)。
ここからは一つ一つ詳しく見ていこう。
・前投げ
(強化)無し
(弱体化)スタン値の減少、投げ後の硬直増加、ヒット後の距離増加
・立弱k(後に再修正で戻る)
※リーチを短くされたが、数ヶ月後の途中アプデで再び戻された
・立中p
(強化)ヒット硬直差+7fに(中足の発生を下げたため)→結果的にノーキャンCAの猶予が増えた
(弱体化)リーチ減少、やられ判定拡大
・立強p
(強化)トリガー時のみキャンセル可能に
(弱体化)発生鈍化
・立強k
(強化)なし
(弱体化)空振り硬直2f増加
・屈中p
(強化)前方へのリーチ拡大
(弱体化)発生6fに、上方向の判定縮小、やられ判定拡大
・屈中k
(強化)持続3fに
(弱体化)発生が7fに
・屈強k
(強化)なし
(弱体化)発生8fに、ダメージ減少、リーチ縮小
・ジャンプ弱k
(強化)なし
(弱体化)やられ判定拡大、攻撃判定縮小
・ジャンプ中p
(強化)空中竜巻キャンセルからCAが繋がるようになった
(弱体化)威力低下
・ジャンプ中k
(強化)なし
(弱体化)攻撃判定縮小
・踵落とし
(強化)キャンセル可能に
(弱体化)ガード硬直-2fに
・強昇竜拳
(強化)なし
(弱体化)ダメージ減少、スタン値減少、無敵削除
<まとめ>
→投げの弱体化により、中央で密着を作っても投げのダメージ120で仕切り直しに。
→ジャンプ攻撃判定の弱体化により、飛びが一部のコパ対空に潰されるようになった。
→立ち回りで振る技の多くがリーチの縮小、食らい判定の拡大によって弱体化。
→他にも共通システムの変更として、ノーゲージ無敵技の削除が入り、ゲージ効率の悪化、それによる火力の低下がもたらされた。
→火力を支えていた強昇竜拳の威力が中昇竜と同じになり、トリガー時の火力アップ効果も大幅に減少。
→Vリバーサルの共通変更で発生が遅くなり当て難くなった上に、状況有利を作れなくなった
総じて弱体化が多く、代わりの強化点が乏しいために対戦環境から完全に外れた。
柔道を取り上げられたのにも関わらず、他のキャラクターには残っていたこともあり、大きな格差が生じた。
シーズン2→シーズン3
大きな変更点として、柔道の全キャラクター削除、Vトリガー2の追加、トリガーキャンセル補正悪化、クラカン補正悪化など。
リュウとしてはトリガーが弱く、クラカン技も弱かったため、むしろこの調整は追い風に。
Vトリガー2は残念ながら実用性に乏しい当身技が追加され、リュウにとっては選択肢の幅が広がる結果にはならなかった。
次は細かな変更点を整理していきます。
・背負い投げ
(強化)スタン値の増加、投げ後の状況が+6fで近い距離に→次の修正で+4fになり少し弱体化。
・立弱p
(強化)ヒットバック、ガードバック拡大とあるが、なぜかその場から当て投げが出来るようになったためむしろ強化。
(弱体化)コパ対空を難しくするために、やられ判定の拡大と上方向の攻撃判定を縮小した。昇竜拳対空が基本なので関係なし。
・立中p
→軸ズレの修正、ほぼ変わりなし
・屈弱p
(弱体化)屈コパ対空を弱体化させた。いぶきは十分落ちるので、あまり変化なし。
・屈中k
(強化)リーチ増加
(弱体化)ヒットバック増加→これによりs1,s2よりも中足波動が当たる距離が短くなってしまった
・ジャンプ強p、強k
(強化)判定強化
・踵落とし
(強化)Vトリガーキャンセル後に大ゴスが入るように
(弱体化)発生鈍化
・鳩尾砕き(大ゴス)
(弱体化)威力低下、恐らく踵トリガーから入るようにしたため
・竜巻扇風脚
(弱体化)押し合い判定の変更→しゃがみの相手に竜巻が裏抜けしなくなった(リスク増)
・EX波動拳
(強化)硬直減少、Vトリガーキャンセル可能に
・V波動拳
(強化)硬直減少、威力増加、ガード硬直差向上
・V昇竜拳
(強化)コンボカウントの緩和(実質コンボ火力増)→次の修正でVゲージが減るように。
(弱体化)EXV昇竜拳のスタン値減少
・足刀蹴り追加
(強化)しゃがみの相手にノーゲージでダウンを取れるようになった
<まとめ>
→投げの強化によって、投げと打撃の崩しが機能するようになった。途中に入った修正によって若干投げが弱くなってしまったが、許容範囲か。
→立弱pをガードさせた後の崩しが非常に強化され、その場投げと後ろ下がりを咎めるコアコパが択になるように。
→中足のリーチが伸びたのは良いが、ヒットバックを同時に弄ったため、中足竜巻がスカりやすくなったり、波動が繋がりにくくなったりするなどの弊害も生じた。
→ジャンプ攻撃の判定強化と、他キャラのコパ対空が弱体化されたため飛びが選択肢に入るように。攻めが強化された。
→トリガー1が調整され強化された。トリガー2本組の中では十分な性能にまで強くなったが、それでも上位キャラクターの試合を左右するほどの力はない。
総じてアッパー調整を受けるも、環境上位のキャラクターたちに軒並み相性が悪く、不遇に。特にバーディー、豪鬼、アビゲイル、ガイル、メナト、ラシードとの相性が厳しく、稼働当初のアビラシエディションを生き延びるのも難しかった。
使い手の多くが強化された点に喜び、これで勝てるようになると思ったのだが、シーズン2までで厳しかったキャラクターたちには依然として厳しい戦いを強いられた。
またお得意様であったコーリンに強力なVトリガー2が追加され、ダイヤグラムが大きく変わった。
ここまでがS1からS3までのリュウの調整の歴史になります。
それでは次回、ついに始まったS4の調整を深掘りしていくことにしましょう!
こうご期待!
【スト5 攻略】受け身の攻防を理解しよう
はじめに
今回は防御を考える上で必須な、受け身の攻防について解説していきます。
まずストリートファイターVの受け身をシステム的に見ていきましょう。
受け身の基本システム
ダウン直後にレバー入力を行うか、ボタン同時押しによって受け身を取ることが出来ます。
まずレバーかボタンかの使い分けですが、ぶっちゃけどちらでも良いです。
受け身を手癖にすることが大事なので、受け身を取りやすい入力方法で構いません。
※ただし溜めキャラは例外
例えばガイルで受け身の起き上がりにexサマソを打とうとしても、レバー入力で受け身を選択した場合は溜めが間に合いません。
レバーで溜めを作りながら受け身をとる場合は、必ずボタンで受け身を取るようにしましょう。
その場受け身と後ろ受け身
その場受け身と後ろ受け身の間には5fの差があります。
ちなみにその場受け身はダウンの衝撃波(のようなエフェクト)から15f、後ろ受け身が20fです。
この起き上がりのフレーム差が起き攻めの際に大きな違いとなるのです。
(その場受け身)
+2fからの投げなので、投げが埋まりますね。
ヒットレベルの関係で相手の3f技も潰して投げることが出来ます。
(後ろ受け身)
投げの持続は3fなので、5f遅く起きあがる後ろ受け身に対しては重ならず、むしろ硬直に相手の3f技が刺さってしまいます。
※両対応とは
先ほどの図で察した方は勘が良いですね。
実は持続が4f以上ある技の場合はその場受け身、後ろ受け身の両方に重ねることが出来るのです。
他にも4f両対応といって、3f技を持っていないキャラクターに対しては両対応の条件が緩和されます。
特にその場受け身(+4f)の状況からの投げが4f両対応になるので覚えておきましょう。
両対応セットプレイは各キャラクターごとに異なるので、その都度調べてください。
受け身の攻防としては、
1.後ろ受け身を何度か見せ、後ろ受け身に対して重ねてくる相手にその場受け身から暴れる。
2.その場暴れを見せ、その場に対して重ねた技を後ろ受け身でスカして硬直を殴る。
こういった攻防があります。
他にも、
・その場受け身なら相手の後ろ下がりを投げられる
・後ろ受け身なら距離が開いて投げの距離から外せる
などそれぞれの起き攻め状況によって受け身の駆け引きが生まれます。
例えばリュウの中昇竜やex昇竜。
中昇竜の当てた後は、その場受け身は投げ間合い内ですが、後ろ受け身なら投げの範囲から外れます。
ex昇竜の場合、その場受け身ならリュウが-3fの状況、後ろ受け身を取ってしまうとリュウが+2fになります。
このように相手の技の後の状況を詳しく知ることで、どちらの受け身を取るべきなのか分かってくるのです。
調べるのは大変かもしれませんが、一つ一つトレーニングモードなどで確認していくことで、さらに防御が上手くなっていくはずです。
一日一つずつで良いので、
技の後の状況を受け身別に調べていくとよいでしょう。
調整の歴史と今後の調整について
はじめに
今回は、CAPCOMCUPを目前に控えた今、次のシーズンの始まりに向けた調整について語っていきたい。
今までのシーズンの振り返りとともに、調整のあるべき形やシーズン4の動向など、考えていく。
今までのシーズンの振り返り
シーズン1
【シーズン1の主な特徴】
柔道
ノーゲージ無敵技
コパ対空
ジャンプグラップ(通称ジャングラ)
柔道:多くのキャラクターに“柔道”と呼ばれる投げから投げが埋まるセットプレイが存在。一度画面端に追い詰められると、ひたすら投げで体力を減らされることも。
ノーゲージ無敵技:一部キャラクター(リュウ、ケン、キャミィ、ネカリ)はゲージを使わずに無敵技を使用でき、ゲージ効率の底上げの効果をもたらしていた。
コパ対空:これが存在することによって、どれだけ相手の意識を地上に割かせていても小技で対空されてしまい、さらにステップから表裏がかかっていた。落とした後の距離が近く、また表裏が加わることで、通常技対空よりもよほどリターンが高まっていた。
ジャンプグラップ:バックジャンプや前ジャンプにグラップ(投げ抜け)を入力することが出来た。これにより相手の投げはグラップ、重ねはガード、シミーには各種ジャンプが出るというリスクの低い防御方法を取ることが可能だった。
また追加キャラクターは上記の6キャラクター(アレックス、ガイル、いぶき、バイソン、ジュリ、ユリアン)。
※春麗が抜けて強いとされ、その次に続く者達としてケンやミカ、リュウがいた。ナッシュは一段落ちるかもしれないと言われていたが、前半の活躍ぶり(Infiltration選手)が一際目立っていた。
<総評>
ノーゲージ無敵技持ちのゲージ効率の良さから、それらのキャラクターの実質的な火力が上がっていた。
また柔道の存在により、画面端での攻めの期待値がとても高く、守り主体の立ち回りキャラクターは安定感が欠けていた。
ジャングラに対する対策方法がキャラクター毎にまちまちで、狩りやすいキャラクターとそうでないキャラクターで完全に分かれていた。対キャミィはジャングラが特に有効だとされ、防御方法ではこの守り方が基本とされたほど。
シーズン2
【シーズン2の主な特徴】
一部キャラクターに残された柔道(投げ格差)
Vリバーサルの弱体化
ジャングラ削除(途中)
必殺技仕込みグラップの台頭
Vトリガーゲーの加速
一部キャラクターの柔道:シーズン1の反省を生かし、柔道を取り上げられたキャラクターが居た一方で、残されたキャラクターも存在した。これにより投げの攻防の観点で、格差のあるキャラクターは同じゲームをしていないことになった。
Vリバーサルの弱体化:Vリバーサルの多くが当てた後の起き攻めが難しくなったり、発生が遅くなったりした。その代わりに白ゲージの回復が遅くなったため、一長一短ではある。
Vトリガーが弱いキャラクターにとって、Vリバーサルに回す恩恵が少なくなったために、よりVトリガーの依存度が高まることになった。
ジャングラ削除:シーズン途中(4月)に入った調整によりジャングラのシステムが削除された。これにより一層防御システムが簡易化され、受けのキャラクターが守りきれなくなる展開に。
また多くのプレイヤーが画面中央での投げを受け入れる傾向に向かった。
必殺技グラップの台頭:ジャングラが無くなったことで台頭した防御方法が、必殺技にグラップを仕込むというもの。特に強力だとされたのは、豪鬼のex百鬼グラップやラシードのexイーグルグラップなど。他にもコマンド投げにグラップを仕込むことも出来た。ジャングラが無くなったことで、結果的に必殺技グラップへの注目度が高まった。
Vトリガーゲーの加速:いぶきやユリアン、バイソン、豪鬼など強力なVトリガーを発動してから一気に逆転する展開が増えた。Vリバーサルのリターンが減ったことで、よりVトリガーの価値が高まる結果に。強いVトリガーを持たないキャラクターは、立ち回りで勝てたとしてもその後のトリガーを堪え忍ぶか、発動させずに倒しきる(柔道やCAなどで)ことが求められた。
追加キャラクターは豪鬼、コーリン、エド、アビゲイル、メナト、是空の六キャラクター。
<総評>
ジャングラの削除により、さらに防御手段が無くなったことで攻めが強力なキャラクターが台頭。
また柔道格差が大きく、あるキャラのないキャラで同じゲームをしていない状態だった。下位のキャラクターと上位のキャラクターの差があまりにも大きく、アップセットを起こすことが非常に難しかった。
依然として攻めが強い環境で、トリガーと柔道で一気に勝負がつく展開が多かった。
シーズン3
【シーズン3の主な特徴】
柔道ほぼ削除
Vトリガー2の追加
クラカン補正悪化
トリガーキャンセル補正悪化
必殺技グラップ廃止
柔道ほぼ削除:これにより立ち回りが強いキャラクターや低体力キャラクターが恩恵を受け、一度の画面端の攻めで崩されにくくなった。
Vトリガー2の追加:コーリンやラシード、ガイルなどの一部キャラクターは新たなトリガー追加によって、使い分けの選択肢や実質的な強化が与えられた。
クラカン補正悪化:クラッシュカウンターからのコンボが補正が悪くなり、火力が減少。立ち回りでの事故的なクラッシュカウンターからのリターンが減ったことで、立ち回りキャラクターに追い風。
トリガーキャンセル補正悪化:トリガーキャンセルによるコンボが補正の悪化で減りにくくなった。先述のクラカン補正悪化と合いまって、クラカントリガー発動からの高火力コンボが全く減らなくなってしまった。かりんやネカリなどのクラッシュカウンターからのトリガーコンボを武器にしていたキャラクターには向かい風の調整に。
必殺技グラップ廃止:必殺技に仕込むグラップまで廃止され、プレイヤーは投げと打撃を純粋に読む必要が生まれた。グラップ(投げ抜け)を入れる危険性が高まり、密着によりやすいキャラクターは追い風に。
追加キャラクターはさくら、ブランカ、ファルケ、コーディー、G、サガット。
残念ながら例年のシーズンとは異なり、まともに戦える追加キャラクターはいなかった。
<総評>
クラカン補正の悪化や柔道の削除から立ち回りが強いキャラクターや低体力のキャラクターの安定感が大幅に上昇。守りに難があったキャラクターもより攻めに力をいれやすくなった。
トリガーの補正が悪化したが、トリガー格差自体は解消されず。むしろ柔道が無くなったことにより、ほぼ確実にトリガーを発動する機会が得られトリガー格差が如実に現れる結果となった。
メナトやアビゲイル、ガイル、キャミィ、豪鬼、いぶきが環境トップに君臨。下のキャラクターも少しの強化をもらったがその差は縮まるどころかよりチャンスが減った。
まとめ
シーズン1→シーズン2では、統一した調整基準が見えなかった(柔道格差やトリガー格差)。
シーズン2→シーズン3では柔道に関する部分を統一、また一部キャラクターの強すぎるクラカン技のために補正を悪化させるなど、大味な箇所を修正した。(統一感のある調整)
しかしシーズン3は強キャラクター達の安定感が増す結果をもたらし、今まで何とかシーンに食い込めた中堅どころのキャラクター達までもが勝ち上がることが難しくなってしまった(単純なキャラクターの性能差は縮まったのだが、結局ワンチャンスを掴む力が減ってしまった)。
特にシーズン3の途中に入れられたアップデートによってアビゲイルとラシードには大きなメスが入れられたのだが、依然として強かったキャミィは何故か強化を受けていた。
調整基準が非常にブレているように感じられ、何か作為的なものを感じざるを得ない。
今後の調整に対する希望
今後の調整への希望としては、これまで数多くの下方調整を繰り返してきたストリートファイターVの方針を転換し、上方修正を基本としたものにしてほしい。
現状の強いキャラクター達の一部の技は威力や硬直を調整するなどしても良いが、単純にフレームを弄ることだけはやめてほしい。
「今まで繋がっていた技が繋がらない」
この不満だけはいつまでたっても解消されることはない。
僕がとにかく調整で重視してほしい部分は、全てのキャラクターに「気持ちいい」瞬間が必ず訪れることだ。
具体的な例を示そう。
現状のリュウvs豪鬼では、リュウが豪鬼に対してパワハラ出来る瞬間は一瞬たりとも存在しない。立ち回りで不利なリュウが、トリガーでも負けているのである。
対戦中に少しでも自分の有利な時間があれば、相手の有利な時間も納得出来るのだが、それが現状“無い”のだ。
とにかくシーズン4に期待したいのは、全てのキャラクターが“これは凄い”と思える武器を持つことだ。
自分のキャラクターが相対的に弱くても良い。
ただ、
「キャラクターを動かしていて、気持ちいい瞬間が欲しいのだ」
コミュニケーションツールとしての格闘ゲーム
はじめに
以前、僕が格闘ゲームにハマった理由について書きました。簡単にまとめて言うと、“コミュニケーションツール”として格闘ゲームを見ているということでした。
今回はより格闘ゲームを“コミュニケーションツール”として見たときに、どんな特徴があるのかについて、深堀りしていこうとおもいます。
格闘ゲームの持つ面白さ
格闘ゲームをやるようになって、特に面白いなと感じるのは、対戦やプレイスタイルに個人の性格が色濃く反映されるという点です。
対戦相手が何を考えているのか、どんな行動を取るのか、どんなキャラクターで、どのように勝ちたいのか、それら全てが対戦を通して伝わってきます。
使用するキャラクターを選択する時点で、その人の性格が反映されていますし、言い方を悪くすれば、さながら「格ゲープロファイリング」とも言えるようなことも考えられます。
完全に主観的な意見で恐縮ですが、具体例を挙げてみますね…。
ザンギエフ使い→純粋な読み合い(コマ投げか打撃か)を好み、少し頭の硬い職人気質タイプ。
リュウ使い→勝ち方に独特の美学のようなものを持っていて、頑固者。明確に勝ちを定義したいタイプ。
バーディー使い→対戦を楽しめる時とそうでないときの落差が激しい気分屋タイプ。
アビゲイル使い→基本的に対戦を楽しんでいて、自分のやりたいプレイが出来た時に喜びを感じるのはもちろん、通らなかった時も仕方ないやで済みやすい。ストレスをあまり溜め込まないタイプ。
ガイル使い→とにかく何かしていたくてボタンを押している。待ちのイメージがあるが、実は動き続けていたい。落ち着きがなく、すぐ何かに興味が移りがちなタイプ。
完全に主観的な考え方なので、全く参考にならないので適当に流してください笑。
ただ僕はこんな感じで使用するキャラクターにプレイヤーの性格が引きずられるというようなことはあるのではないかなと思っています。
他にもプレイスタイルの差も面白い要素になりますね。
例えばももちさんのケンとえいたさんのケンでは、同じキャラクターのはずなのに全く立ち回り方が異なります。
どちらのプレイスタイルが正解というものは無く、個人の持つ理想とする勝ち方、プレイスタイルを目指した結果なわけです。つまりプレイヤーの内面が対戦画面の中で表現されるのです。何て面白いコンテンツなんだと言いたいですね。
また格闘ゲームは、対戦という共通言語を用いることで、初めて出会った相手とも話題探しをする必要もなく、対戦について熱く語り合うことが出来るのも格闘ゲームの面白さです。
初めて出会った人との会話って、話題に困りがちですよね…
しかし格闘ゲームは語れる内容がもう無限大です。ただ一つの正解がない、環境が常に変化しているからこそ、共通する話題は尽きることがなく、格ゲーマーは話が止まらなくなってしまうのです。
コミュニケーションツールとしての特徴的な機能
格闘ゲームの持つコミュニケーションを促進させる特徴的な機能を挙げてみたいとおもいます。
①共通話題の生成
②対戦という同期的なコミュニケーション
③年齢や性別関係なく、同じルールが適用されること
①については先ほど述べた通りですから割愛します。
②同期的なコミュニケーションとは、お互いが同じ空間、時間に存在して何かしらの行為をすることを指しています。ネット対戦では空間は共有することはないかも知れませんが、時間は共有しています。オフ対戦の場では当然どちらも共有していますね。
なぜこの同期的なコミュニケーションが重要かと言うと、同じ空間、時間を共有したものは互いに親しみを感じやすくなるからです。
特に格闘ゲーマーには、対戦という共通言語がある分、互いのプライベートにはあまり関与しないという独特な距離感があります。
これについても同期的なコミュニケーションを通じて、互いがどこまで踏み込むかという難しい調整が可能になっているのです。
③年齢、性別に関係ないルールとは、格闘ゲームの対戦の中では性別も年齢も考慮されずに勝ち負けが判定されることは意味しています。
他の多くのスポーツは年齢的な肉体の衰えや怪我の危険性などから、年齢別や性別で一緒にプレイ出来る選手を分けたり、ルールが一部変更されたりします。
選手の保護の観点からは素晴らしいと思いますが、年齢や性別でプレイヤーを分けてしまうことで互いの交流が乏しくなったり、同じ感動を共有出来なくなったりする問題が起こります。
プレイヤーを分けることのない格闘ゲームは、他のスポーツと比較してこの点は非常に優れている部分ではないかと思います。
終わりに
昨今E-sportsと騒がれ始めていますが、僕はそのブームが一過性のものにならないか心配です。
改めて格闘ゲームの持つ優れた部分を見直して、自分に出来る活動があるのではないかと考え続けていきたいです。
まだ答えは出ていませんが、何か行動に移す段階が目の前に来ているのではないかと感じている次第です。
ストVでのパナシ方の基準を持とう
はじめに
(※追記 2019年2月1日)
なぜこの記事を書くことになったかという話から。
以前ブログ記事内でも書いていた内容なのですが、「なぜパナシが嫌われるか?」という旨のツイートがあらぬ誤解を生んでしまいました。
※(該当ブログ記事)
※(該当ツイート)
パナシの話題がTLに流れていたので…
— 勇利 (@gorimusou_SF5) 2018年12月6日
パナシが嫌われる理由は、守りターンであるはずの不利フレームを切り返せるから
簡単に言えば、
「今は俺の攻めターンなんだから、気持ち良く攻撃させろ!」
って基本的にみんな思ってるわけ
フレームの有利、不利の攻防の中では“昇竜拳はルール違反”なんです pic.twitter.com/KVS3cOm0i1
それでも無敵技を含めた攻防が読み合いなわけで、上級者ほど打ちどころが上手い
— 勇利 (@gorimusou_SF5) 2018年12月6日
パナシという行為自体はリスク高いので、癖が一旦バレてしまうと処理になってしまう傾向にある
パナシをある程度制限することで、防御を学ぶことにも繋がると思うので、まずは自分がパナすための基準を作ってみては?
はじめに明確に言っておきたいのですが、これは個人的なパナしの好き嫌いで言っている訳ではなく、フレームの攻防上、無敵技が非常に強力な選択肢であると言っているに過ぎないのです。そして嫌われる理由を、相手の攻めのターンを無理やり切り返せるためだとしました。
かなり強い表現として「ルール違反」という言葉を用いましたが、これは使ってはいけないという意味ではなくて、あくまでもフレームの攻防(ターン制のようなもの)においてルールを無視できる存在であると言っているに過ぎません。
予めその点を踏まえて頂いて、今日のテーマであるパナす基準の設定について考えていきましょう。
何でパナシ基準を設けるの?
無敵技は何度も言っているように、フレームの攻防の中ではルールを無視できてしまうほど強力な選択肢です。しかしそのくらい強力な選択肢であれば、当然リスクも大きいのです。
ストリートファイターVでは無敵技を打った後の硬直は必ずカウンター判定になり、「クラッシュカウンター」という特殊な食らい方もしてしまうようになります。
シーズン4のアップデートで完全無敵技の後のダメージが1.2倍となり、リスクがさらに増えました(※追記)
クラッシュカウンターは普段繋がらないコンボが繋がり、火力が伸びるだけでなく、VゲージやEXゲージも増加するなど恩恵が非常に大きいものです。
また無敵技の多くはシーズン2の調整の段階でVトリガー時を除いて、ゲージを使わなければ使用することが出来なくなりました。
つまりガードされると大きなダメージを負うだけでなく、今まで溜めたEXゲージまでも無駄にしてしまうのです。
※【無敵技の持つリスク】
1.カウンター判定による大ダメージ
2.相手の各種ゲージの増加
3.自分のEXゲージを無駄にする
これだけ見ると無敵技というのは少なくともガードされた時点で、その試合の勝敗が大きく傾いてしまうほどの高いリスクがあると分かったと思います。
そのような高いリスクを孕んだ無敵技を適当に打ちつづけたらそれこそただの運ゲーですし、安定した勝ちは望めません。
そこでどのような状況であれば使って良いのか、どの局面ならば当たりやすいのか、こうした基準を自分なりに作っていくことが重要です。逆に考えばこの基準を自分で考えることで、相手がどんな時に無敵技を打ちたいのかも自然と分かります。
次は、この打つか打たないかの基準を僕なりの考えで提示していきたいと思います。
どうすれば無敵技が当たりやすくなるのか
まずはどのような状況ならば自分の打った無敵技が当たりやすいのか考えていきましょう。
自分が体力リードを取っている時
これは単純な話で、相手は体力差を取り返すために攻めの意識が高まるからです。
※自分の被起き攻め時に無敵技を打つ場合
【勝てる選択肢】
・打撃重ね
・投げ重ね
【負ける選択肢】
・後ろ下がり
・遅らせ打撃
・遅らせ投げ
上記の選択肢を見てみると、無敵技が負ける選択肢は相手からするとリスクが高い行動(遅らせ)や、後ろ下がりといった控えめな行動です。
体力差をなるべく埋めようとしている際に、こうした控えめな行動を冷静に取ることが出来るのは難しいでしょう。
「ようやく得た攻めのチャンスを活かしたい!」
と誰もが思うはずです。
ウメハラさんのexサマソが当たる理屈もそうしたものが背景にあるのです。
また細かい話になりますが、相手の打撃重ね、投げ重ねを誘うのも重要です。
相手の重ねを誘うためには、こちらが打撃暴れや投げ暴れを見せることです。これらを見せることで、相手はそれらの行動に勝てる重ね行動を取ってくるのです。
※【無敵技を当てるためには】
1.体力リードを取る
2.打撃暴れや投げ暴れを見せて、相手の重ねを誘う
どんな時に打つべきか
せっかく高いリスクを承知で打つのですから、なるべく得られるリターンは大きい方が良いですよね。ここではどんな時に打つとリターンが高いのか考えていきましょう。
1.相手のスタン値が溜まりそうな時
相手にコンボを加えて、あともう少しでスタンさせられるという状況。そんな時に技をガードされて相手のターンになってしまった。相手は当然ようやく自分の攻めのターンがやってきたと思って打ち返してくるでしょう。
そこに無敵技を打ち込みます。
例)リュウの鳩尾砕き(前強p)硬直差-2f
例)いぶきの梵鐘蹴り(前強k)硬直差-3f
威力の高い無敵技でスタンを取れれば、そのまま補正の緩い状態でスタンした相手にコンボを入れられます。
試合が殆ど決まるような一手ですから、十分選択肢としてアリと言えます。
2.Vゲージがあと少しで溜まりそうな時
ここは勝負の一手です。
なぜここでパナす選択肢を考えるかと言うと、ここで投げを食らった場合にVトリガーの2回発動が難しくなるためです。
特に2ゲージキャラの場合、2回発動出来るか出来ないかは死活問題です。ここで無敵技が当たれば2回発動が見えて、ガードされれば自ずと1回になる上に、かなり不利な状況になります。
ただし無敵技が決まればトリガーを2回使うことが出来て、大きな状況有利を作り出すことが出来ますよね。正に“勝負の一手”なわけです。
ちなみに逆に打つべきでない時は…
この場合です。
「え、何が違うの…?」
と思った方……全然違うんです!
このVゲージの量では投げられた場合にちょうどVゲージが溜まります(約0.5本分)。むしろパナしをガードされた場合、絶対に2回発動は出来ません。起き攻めの投げを受け入れるだけで、2回発動の可能性が高まるわけですから、この局面は相手に投げられるのがベストなのです。
逆にこの状況で無敵技を打つことはリスクが大き過ぎます。
画像で見るとVゲージのほんのちょっとした差なのですが、この少しの差が対戦には大きく影響してくるのです。
Vトリガーが2ゲージのキャラクターを使用している場合は、2回発動を見据えて無敵技を打つようにしてください。
※【リターンの高いポイント】
1.相手がスタン間近
2.Vゲージが溜まる間近
今回はここまでです。
自分の中にパナす基準を作ることは出来そうですか?
僕なりに当たると思う時は打ちますし、トリガーの2回発動も重視して無敵技を打つか決めています。あなたも自分のキャラクターと相談しながら、打つべき基準を作り上げて下さいね。
【スト5】トレーニングモードの使い方
トレーニングモードを活用しよう
トレーニングモードの使い方で成長のスピードは格段に変わります。しかしながら初心者のうちは、そもそもトレーニングモードの使い方が分からなという方も多いのではと思います。
そこでこんな風に使うと良いというケースをいくつか紹介していくような形で書いていきますね。
1.技の有利、不利を知る
先日のブログ記事「フレームの基礎知識」
にも書いたように「格闘ゲームはターン制」なのですが、それを理解するためには有利、不利を見分けられるようにしなければなりません。
ここでその練習方法として、トレーニングモードの設定で有利不利を表示させる機能を使います。
技をガードさせたりすることで、どちらが有利か不利か見分けることができますし、大体の技の硬直も分かります。
トレーニングモードを使って、どの技をガードさせれば、自分のキャラが青くなるのか(有利)、赤くなるのか(不利)身体で覚えていきましょう。
2.技の相性調べ
相手の技と自分の技を振らせてみて、どちらの技が勝ちやすいか調べるのがこの作業になります。
以前、中攻撃の置き技に対して差し返しが狙えないために、技の相性を調べましょうと書きました。その時は書きっぱなしとなっていたので実際にどう調べるのか詳しく説明しようと思います。
春麗の追突拳(前中p)に対して相性の良い技を探したい
まずはCPU春麗にレコーディングで前中pを振らせます。
それに対してどの技が勝ちやすいか探していきます。
リュウの中pはリーチ的に負けてしまう……
中足はどうだろうか…?
調べてみると、姿勢が低くなることで春麗の前中pを避けながら足下を蹴ることが出来るということが分かりました。ここに竜巻旋風脚を仕込めば、相手は前中pを振りにくくなるはずです。
実は更にこの中足、春麗の強pにも相性がいいんです。
非常にリーチの長いこの技ですが、実際には足下の食らい判定が先に出ます。
パンチがでる前にリュウ側が中足を置くことで、リーチ的には負けているものの発生前に潰すことが可能なのです。
こうした相手のキャラクターの技一つ一つに対して、この技で対処しようと調べていくのが相性調べになります。
ランクマッチの待ち時間などで調べながらプレイすると実戦もすぐ行えるので効率が良いです。
こうした技相性の読み合いの中で、当然相手も更に相性の良い技を自分にぶつけて来るはずです。相手の対応策に対して、自分も更なる解答を用意しなければなりません。
解答例)春麗の翼旋脚(前強k)
空中に少し飛ぶことで下段をスカす効果があります。リュウが中足を狙っているのであれば、それをスカしながら攻撃をすることが出来ますね。
3.対空の練習
対空の練習方法に決まった正解というのはないと思いますが、僕が初心者の時に行っていた対空練習を紹介します。
相手キャラクター:ララ
CPUの設定をレコーディングにして以下の動作をレコーディング。
①前後にウロウロうろさせて前ステ投げ
②前後にウロウロさせてジャンプ強k(正面飛び)
③前後にウロウロさせてジャンプ弱k(めくり飛び)
この練習は前ステ投げに対して投げ抜け出来る位の意識を持ちながら、対空も出せるようにする練習です。簡単に言えば意識配分に慣れるためのものです。
※なぜララなのかと言うと、単純にめくり飛びの性能が最強クラスだからです。
(ララ:J弱k 発生4f、持続10f)
持続が10fあるので必ず技の判定で勝たなければいけませんので、誤魔化し(しゃがみでスカすなど)が効きません。
前ステ投げに対して反応しながら、しっかり対空も出るように身体を慣れさせるのが目的ですから、前ステを止めようとは考えなくて構いません。対空の意識配分を身体で覚える作業ですから、地道にやっていきましょう。
4.受け身を見分ける
相手キャラクターの受け身モーションを見分けて、技を重ねる練習をします。なぜ見分けなければならないかと言うと、その場受け身と後ろ受け身には5fの差があり、その場に対して技を重ねようとすると後ろにスカってしまうためです。
これは地味なわりに非常に難しいのですが、練習を重ねるごとに精度が上がっていきますし、勝率にも直結します。
具体例)リュウ
その場受け身モーション
後ろ受け身モーション
それぞれの受け身に対してタイミングを覚えて、しっかりと相手の暴れを咎められるように練習しましょう。
やり方としては、相手の設定を各種受け身を取らせるようにしてから、ダウン後に暴れをレコーディングします。
その暴れを投げや打撃で潰せたら成功です。
いかがでしたか?
トレーニングモードの使い方次第で周りと差をつけることができます。実戦を通して覚えていくというスタイルを否定するわけではありませんが、練習したプレーが実戦で成功するのも、また面白さに繋がってきます。
成長を感じるための工夫でもありますから、少しだけトレーニングモードを触る時間を作ってみては?
僕が格闘ゲームにハマった理由
はじめに
今回はいつものストリートファイターVの攻略ではなくて、僕がなぜストリートファイターVにこれほどハマったのかについて書いていきたいと思います。
なぜかこれを書こうと思ったのか。それは自分の経験を再言語することで、自分が格闘ゲームに対して何を求めているのか。そして何を求めて始めたのか思いだそうと考えたからです。
僕がストリートファイターVにハマった理由
僕が格闘ゲームを本格的にプレイし始めたのは2017年1月頃、ストリートファイターVのシーズン2が始まってすぐの時でした。しかし、実はストリートファイターVは発売して直後、僕は一度このゲームを購入していました。しかし発売当初のあまりのネットワーク環境の劣悪さに加え、ともにプレイする人もおらず、結局はすぐに売ってしまったのです。
元々格闘ゲーム自体はゲームセンターにガンダムをプレイしに行くついでに暇潰しでやったくらいの経験しか有りませんでした。
そういったこともあり対戦しても、やはり強い人に負けてしまう。そして何から練習したら良いのか分からない。ストリートファイターを始めた当初の僕はこのような状況にいました。
結局ゲームの練習は続かず、ソフトを売ることを選択してしまったのです。
しかし売ってから半年くらいが経った頃、東京でボンちゃんオフというイベントが行われると知り、当時大学生で時間を持て余していた僕はゲーム本体を売ったにも関わらず、参加しようと決めました。
そのイベントで、二年ほど経った今もなお交流のある二人のプレイヤーに出会うことが出来たのです。
一人はAさん。
最初見かけた時はその筋肉に圧倒されましたが、話してみるととても気さくな方。
イベント後にはゲームバーでプレイする約束までして、それ以来交流が今でもずっと続いています。(お世話になっております…)
もう一人はNさん。
ウル4経験者で、春麗をこよなく愛する紳士な方。オフ対戦のイベントを企画して頂いて、更に多くの格闘ゲームプレイヤーとの交流が深まったり、広がったりしました。
彼ら二人との出会いが、僕にとって格闘ゲームを本気でやりはじめるきっかけと言っても過言ではありません。
それからは誘われたTwitterのDMグループに入り、自分と腕の近い人と対戦をするなかで少しずつ上達していきました。
このように振り返って考えてみると、僕は恐らく元々「何が何でも勝ちたい」というプレイヤーではなさそうですね。むしろ格闘ゲームで知り合った方々がとても面白い人ばかりで、格闘ゲームを通してのコミュニケーションが楽しくてしょうがなくて、いつのまにかハマっていたような感覚です。
僕にとって格闘ゲームとは、
「対戦を通してプレイヤーと交流することが出来る“コミュニケーションツール”」
なのです。
もちろんゲームの中身もとても大切ですが、そのゲームの対戦を通じて、「誰とやるか」「何をするか」がとても重要なのではないかと今では思います。
次回は
「コミュニケーションツール」としての格闘ゲーム
をテーマに書いていこうと思います。
前ステは見てから止められるか
前ステは見てから止められるか
今回はストリートファイターVにおいて、非常に強力な前ステップについて考えていきます。
何故このテーマにしたかと言うと、
「前ステップを止められるんですけど、見てから止めてるんですか?」
と何度か聞かれたことがあったので、ハッキリさせておかないといけないなと思ったからです。
単刀直入に言います……
「前ステップは見てからでは止まりません!」
前ステップの基礎知識
まずは単純な全体フレームから。これは各キャラクター毎に決まっています。全体フレームは最速15f~最遅25fの間です。
最速15f(ケン、春麗、ラシード)
16f(リュウ、キャミィ、かりん、いぶき、ジュリ、ユリアン、豪鬼、エド、さくら、ブランカ、影)
17f(バルログ、ネカリ、ララ、バイソン、コーリン、是空、コーディー)
18f(ナッシュ、ミカ、ガイル)
19f(アレックス、G)
22f(ベガ)
23f(バーディー)
最速の前ステを持っているのが、ケン、春麗、ラシードの3キャラクター。
特にラシードの場合は特殊で、レバーを入れ続けることで走ることが出来ます。“ステップ”というより“ラン”ですね。
逆に一番遅いのはザンギエフ、アビゲイルのデカキャラ二人です。
フレームは一秒を60分割した単位ですから、前ステ25fというのは約0.4秒です。
人間の反応は一般的に0.2秒(12f)前後と言われていますから、最も遅いキャラクター達は見ていれば流石に止まるはずですね。
※ちなみに陸上競技の100メートル走などはたとえスタートの合図の後だとしても、0.1秒以下の反応であった場合はフライング扱いとなります。
桐生祥秀まさかのフライング0秒016「早まった」 - 陸上 : 日刊スポーツ
(100m走桐生選手のフライング)
「人間の反応速度が大体12fなら、それだけに集中してたら前ステ止まるんじゃね!?」
と考えた方…甘い!
前ステが止まらない理由
ここからは見ていても止まらない理由をいくつか述べます。
①インプットラグ(入力遅延)
現在ストリートファイターVには平均して約4fほどの入力遅延が存在します。簡単に言えばボタンを入力してからゲームに反映されるまで4fかかる訳です。
もし仮に12fで反応出来たとしても、ゲームに反映されるのは16f。最速組の15fは止まりません。
「でも、16f以降のキャラクターは止まるんじゃない?」
と思った方、まだ理由はあるんです。
②モーションの初動フレームが遅い
キャラクター毎に前ステップの全体フレームが異なるとは言いましたが、実は入力してから動き出すまでにはキャラクター毎に差があります。
例)ナッシュ:全体硬直18f
実はナッシュの前ステップは入力してから1f~5fの間、全く動きません。
6f目でようやく少しだけ前進するのですが、プレイヤーが毎回この6f目で視認出来る訳ありません。
例)ミカ全体硬直18f
ミカの前ステップに至っては、なんと1f~7fまで全く動きません。
8f目でようやくほんの少しだけ前進するのですが、この微妙な変化だけで視認出来るはずありません。実際はより前進してからの反応になるはずですから、ミカの前ステは全体フレームだけでは分からない強さがあるのです。
つまり単純に全体フレームだけで、止められると考えてはならないのです。
動き出しの初動が視認しにくければしにくいほど、反応するタイミングが遅れてしまうわけですね。
実際には前ステに対しての視認までに数フレームかかっているはずですから、例え12fの反応が出来たとしても、1f目から反応出来ているわけではないので止まらないのです。
でもプロは見てから止めてない?
実は前ステを止めるためには、いくつかの工夫があります。
これらを駆使して前ステを“見てから”止めているように錯覚させているのです。
①前ステ入力のニュートラルになる部分を見る
立ち回りから前ステップを入力する場合、入力の関係上、どうしてもニュートラルになる瞬間が存在します。
この一瞬のニュートラルになったり、カクカクした動きを見切ってボタンを押すのです。
分かりにくい方はトレーニングモードで試して見てください。
まず相手キャラを前後に歩かせて、好きなタイミングで前ステをさせてください。
相手キャラをじっと見ていると、一瞬フッと止まる瞬間があるはずです。そこでボタンを押すのです。
これは入力の仕様を突いた考え方ですから、本来の「前ステを“見てから”」とは異なります。
②固め連携の途中に、前ステだけ止まるタイミングでボタンを押している
例えばネカリが、
「弱k→中k→屈中p」という3f潰し連携の途中で前ステップをしてくる場合、前ステップのみ止まるタイミングでボタンを押しておくのです。
雑なステップからの固め直しを狙ってくる相手には非常に有効で、かつあまりリスクもありません。
ちなみにユリアンのステップが通りやすいのは、固め直しの前ステップと溜め強pがほぼ同じタイミングで飛んでくるからです。
前ステップが非常に速いため、なるべくステップのタイミングでボタンを押しておきたいのですが、溜め強pを食らってしまうために押しにくい→躊躇っているとステップが通ってしまう。このようなカラクリなのです。
ステップの通し方の工夫
立ち回りでのステップは入力の関係上、一瞬ニュートラルに入ってしまいます。
しかし、この入力の問題を解決する工夫があります。
それが
「技の硬直中に入力すること」
です。
簡単に言えば弱p(空振り)→前ステと入力するのです。(Infiltration選手がよく使っている動きです。)
【メリット】前ステップの入力上必ず発生するニュートラルが無いこと。【デメリット】弱pの空振りの時点で読まれてしまう危険性があること。
弱pの時点で読まれてしまう場合は、弱pの空振りから飛びや微歩き打撃、弾撃ちなど様々な動きを見せることで前ステを通しやすくすることは可能です。
技の硬直後の前ステは、純粋に見てから反応することはかなり難しいのです。
今回はこれで終わりです。
前ステ1つとっても工夫のしがいがありますね。
ステップが遅いキャラクターであっても、相手の意識の外からならば十分通すことが出来るのがストリートファイターVです。
ステップを通すために、どんな対の選択肢を用意するのか、自分なりに考えながらプレイしてみてはどうでしょうか?
フレームの基礎知識
はじめに
今回は始めたての初心者向けにフレーム知識の説明をしていきたいと思います。
先日行われたしょげイベ内の講習会でもお話しした内容ですが、文字での説明も交えて解説していこうかなと思いまして、記事にすることにしました。
「フレーム覚えるのめんどくさい!」
という方も確かにいますが、これを理解しているのとそうでないのとは格闘ゲームの上達度に大きな差が生まれてしまいます。
格闘ゲームの面白い部分ですから、楽しみながら理解していけるとよいと思います。
フレームとは
フレームとは「格闘ゲームにおいて使用する時間の単位」で、1秒を60分割した単位になります。
図の場合、1つの四角形が1fだとすると、四角形が、60個集まると1秒になるわけです。
つまり1フレーム(f)とはほんの一瞬なわけですね。
何故フレームが大事なのかというと、技の発生や硬直差、前ダッシュの速さなど格闘ゲームのシステムほぼ全てに関わってくるからです。
実際の技に当てはめてみよう
先ほど四角形で表したフレームの図に当てはめると、各技の発生、持続、硬直はこのように考えられます。
フレーム表自体はCAPCOM公式サイト「シャドルー研究所」にログインすることでも見られますし、アプリをダウンロードすることも出来ます。
(シャドルー研究所)
「ふーん、でも技の発生とか持続、硬直が分かってなんの意味かあるの?」
と思ったあなた、実はこの知識を理解しないと「一生ハメられますよ…!?」
どんな時に攻めて、どんな時に守るのか、それを理解するためにもフレームの知識は必要不可欠なのです。
格闘ゲームはターン制である
「格闘ゲームがターン制?何をバカなことを…、二人とも自由にボタン押せるじゃないか」
と考えるのも無理はないのですが、格闘ゲームにおいては明確に「攻めのターン」、「守りのターン」が存在します。
そしてこの攻めと守りの局面が物凄いスピードで変化し続けるのが、格闘ゲームの面白さなのです。
これを知らないで格闘ゲームを見るのは、面白さが半減していると言っても過言ではありません。
格闘ゲームでは相手よりも先に行動出来る状態を有利フレーム(攻めのターン)、後に行動する状態を不利フレーム(守りのターン)と考えます。
バーサーカーソウルのように、「ずっと俺のターン」とはいかないんですね。
攻めのターンの原理
まず自分が+2fの状況だったとします(相手より2f先に行動出来る)。
この状態で発生5fの投げを選択、相手は発生3fの弱pを選択しました。
自分の方が2f先に行動出来るため、5fの投げと3fの弱pが同時にぶつかります。しかし技にはそれぞれヒットレベルが設定されており、弱<中<強<投の順で優先されます。
つまり相手の攻撃を潰して、その上から投げてしまうことが出来るわけです。
「相手よりも先に動ける状況をいかに作り出すか」
これが勝負に勝つための秘訣なのです。
守る側になってしまった場合、ガードやバクステ、投げ抜けなど防御的な選択肢を取らざるを得なくなります。
しかしもう1つ守りターンを切り返す方法があります。それがパナシ(無敵技)なのです。
無敵時間が存在することによって、本来ならば守らなくてはならない局面で切り返すことが出来、相手にダメージを負わせることが出来ます。
しかしガードされた時の反撃が非常に高く、運要素の大きいものとして多用するプレイヤーは嫌われる傾向にあるのも事実です。
「俺のターンだろ、大人しくしてろ!」
「 パナシまくりやがって、ただの運ゲーじゃないか!」
こんな感想を持てたら、あなたは既に格闘ゲーマーの仲間入りです。
攻防のターンを理解して、運ゲーを嫌うのは多くのプレイヤーも同じです。攻めと守りの中でアクセントとして上手に無敵技を使ってみて下さいね。
今日はここまで。
フレームについて理解は深まったでしょうか?
今日はとにかく
「格闘ゲームはターン制である」
これだけ覚えて帰ってくださいね!
ケンを倒せ
前回のおさらい
弾の撃ち合いには3要素あると言いました。
弾・飛び・対空の3つですね。
今回は、前回の弾の撃ち合いの3要素を考慮してケン戦について考えていきたいと思います。
ケン対策に近い内容となりますが、今回の対策のアプローチは大局的なものとなっています。
実際、対策の手法には大きく分けて二種類あります。
対戦キャラの各技の対策を一つ一つ積み上げて行うものと、より広い視野から全体を俯瞰して戦略を立てるものです。
今回は後者の方に近いアプローチになりますので、細かな話はあまりないのでその点はっきりさせておきます。
リュウとケンのそれぞれの強み
弾の撃ち合いの3要素から、リュウとケンのそれぞれの強みを考えていきます。
【弾】
リュウ>ケン
威力、硬直ともにリュウの方が優れており、またex技を加味するとリュウのみが一方的に弾でダウンを奪えます。
弾の性能単体だけで見ると、ケンはリュウには及ばないことが分かりますね。
【飛び】
リュウ<ケン
リュウの空中軌道変化技は空中竜巻ですが、めくり判定無し・しゃがみに当たらないという性能です。
相手の昇竜拳をスカすことが出来るので、選択肢として機能はするがリターンを取ることは難しいのです。
同じくケンの空中軌道変化技は空中竜巻ですが、めくり判定が存在し、しゃがみにもヒットします。
またexゲージを使うことでキャミィのキャノンストライクのような技に変化させることが出来ます。
角度によっては相手の昇竜対空をスカすように使ったり、普通の飛びよりも早く相手にヒットしたりするため波動を飛びやすくする効果もあります。
飛びの軌道変化の選択肢が多ければ多いほど、相手の対空手段を揺さぶることが出来るため対空リスクを減らすことが出来ます。
飛びはケンの方が優れていると言えるでしょう。
【対空】
リュウ<ケン
リュウは威力120に後ろ受け身に対する起き攻めがありません。
逆にケンの昇竜拳は威力が130であり、なおかつ起き攻めにいきやすいという性能です。
昇竜拳で相手を落とした時のリターンがケン側の方が高いわけですね。
それぞれの強みを活かした戦い方とは?
地上の技の振り合いではどうしてもリターンの面でケンに軍配が上がります。そこで波動拳の優位を活かして、ケンに対して弾の圧力で地上の技振りを仕掛けるわけです。
波動拳を沢山撃てば撃つほどリュウが有利な地上戦が展開出来るわけですね。
しかしながら他の二つの要素も考えなければなりません。
飛びの選択肢が豊富なケンに対して、それぞれの選択肢に適切な対処が求められます。
昇竜拳を空中竜巻でスカされてしまえば、対空リターンが得られないどころか、クラカンから大ダメージを貰ってしまいます。
特に普通の飛びと空中竜巻が択になる距離では、リュウ側は屈強pでの対空を求められます。
対空でリターンが取れる前提があって、初めて弾を撃つことが出来るので落とせない相手に波動拳を撃つことは出来ないのです。
対空の差についてもケンに及びません。
リュウの場合、昇竜拳で落とした所で120ダメージで起き攻めはありません。もちろん屈強pでの対空もその後距離が離れてしまい、70ダメージで終わりです。
逆にケンの昇竜拳は130ダメージ+起き攻め、屈強pも奮迅キャンセルから表裏択から後ろ投げの択があります。
対空リターン差が存在するのであれば、リュウはケンよりも飛びの回数を制限する必要があるわけです。
飛ぶにしてもケンの対空の中で一番安定して、なおかつリターンの高い昇竜拳を制限させるために積極的に空中竜巻での釣りを狙っていくことが求められるでしょう。
①ケンの飛びの選択肢に、全て適切な対処が出来る
②ケンの昇竜拳を制限させる+飛びの回数をセーブ
つまり……
「①と②が両方伴って、ようやく波動拳が撃てるのです」
この攻略は、波動拳が撃てるようになれば、リュウが有利に立てるという前提で話しています。
ケンの優れている「飛び」、「対空」を制限すれば、自ずとリュウが優れている「弾」の勝負が出来るはずです。
逆にケン側の立場からすれば、リュウ側を飛ばせて対空リターン差を活かす、多彩な飛びで対空リスクを軽減することが理想となります。
この理想的な状況の元では、対空リターン差と飛びでのリスク軽減から、ケン側も弾を撃ってよいことになります。
ケンの方から弾を多く撃ち、リュウを飛ばせることが出来たら、それだけで自分の土俵に持ってきたも同然なのです。
終わりに
僕の現時点で考えているリュウvsケンは、
「お互い波動拳を撃ち合う展開なのではないか」
と考えています。
リュウ側が飛ばずに、ケンの飛びに対空リターンが取れている状況では、ケン側がリスクを負って波動拳を撃つことを求められます。
逆にケンの飛びを落とせていなければ、ケンはより波動拳を撃ちやすく、リュウ側が飛ばされ、弾を撃たされるという展開になります。
ケンは対空リターン差と飛びを活かすために、波動拳を撃つ。
それぞれ目的は違えど、波動拳を撃つことが優位に立ち回る上で不可欠なのではないでしょうか。
今回はここまでです。
次回は講習会でも話したフレームの基礎知識についてになります。