格闘ゲームとキャリア

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調整の歴史と今後の調整について

はじめに


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今回は、CAPCOMCUPを目前に控えた今、次のシーズンの始まりに向けた調整について語っていきたい。

今までのシーズンの振り返りとともに、調整のあるべき形やシーズン4の動向など、考えていく。

 

 

今までのシーズンの振り返り

 
シーズン1

【シーズン1の主な特徴】

柔道

ノーゲージ無敵技

コパ対空

ジャンプグラップ(通称ジャングラ)

 

柔道:多くのキャラクターに“柔道”と呼ばれる投げから投げが埋まるセットプレイが存在。一度画面端に追い詰められると、ひたすら投げで体力を減らされることも。

 

ノーゲージ無敵技:一部キャラクター(リュウ、ケン、キャミィ、ネカリ)はゲージを使わずに無敵技を使用でき、ゲージ効率の底上げの効果をもたらしていた。

 

コパ対空:これが存在することによって、どれだけ相手の意識を地上に割かせていても小技で対空されてしまい、さらにステップから表裏がかかっていた。落とした後の距離が近く、また表裏が加わることで、通常技対空よりもよほどリターンが高まっていた。

 

ジャンプグラップ:バックジャンプや前ジャンプにグラップ(投げ抜け)を入力することが出来た。これにより相手の投げはグラップ、重ねはガード、シミーには各種ジャンプが出るというリスクの低い防御方法を取ることが可能だった。


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また追加キャラクターは上記の6キャラクター(アレックス、ガイル、いぶき、バイソン、ジュリ、ユリアン)。

 

春麗が抜けて強いとされ、その次に続く者達としてケンやミカ、リュウがいた。ナッシュは一段落ちるかもしれないと言われていたが、前半の活躍ぶり(Infiltration選手)が一際目立っていた。

 

<総評>

ノーゲージ無敵技持ちのゲージ効率の良さから、それらのキャラクターの実質的な火力が上がっていた。

また柔道の存在により、画面端での攻めの期待値がとても高く、守り主体の立ち回りキャラクターは安定感が欠けていた。

ジャングラに対する対策方法がキャラクター毎にまちまちで、狩りやすいキャラクターとそうでないキャラクターで完全に分かれていた。対キャミィはジャングラが特に有効だとされ、防御方法ではこの守り方が基本とされたほど。

 

 

シーズン2

シーズン2の主な特徴】

一部キャラクターに残された柔道(投げ格差)

Vリバーサルの弱体化

ジャングラ削除(途中)

必殺技仕込みグラップの台頭

Vトリガーゲーの加速

 

一部キャラクターの柔道:シーズン1の反省を生かし、柔道を取り上げられたキャラクターが居た一方で、残されたキャラクターも存在した。これにより投げの攻防の観点で、格差のあるキャラクターは同じゲームをしていないことになった。

 

Vリバーサルの弱体化:Vリバーサルの多くが当てた後の起き攻めが難しくなったり、発生が遅くなったりした。その代わりに白ゲージの回復が遅くなったため、一長一短ではある。

Vトリガーが弱いキャラクターにとって、Vリバーサルに回す恩恵が少なくなったために、よりVトリガーの依存度が高まることになった。

 

ジャングラ削除:シーズン途中(4月)に入った調整によりジャングラのシステムが削除された。これにより一層防御システムが簡易化され、受けのキャラクターが守りきれなくなる展開に。

また多くのプレイヤーが画面中央での投げを受け入れる傾向に向かった。

 

必殺技グラップの台頭:ジャングラが無くなったことで台頭した防御方法が、必殺技にグラップを仕込むというもの。特に強力だとされたのは、豪鬼のex百鬼グラップやラシードのexイーグルグラップなど。他にもコマンド投げにグラップを仕込むことも出来た。ジャングラが無くなったことで、結果的に必殺技グラップへの注目度が高まった。

 

Vトリガーゲーの加速:いぶきやユリアン、バイソン、豪鬼など強力なVトリガーを発動してから一気に逆転する展開が増えた。Vリバーサルのリターンが減ったことで、よりVトリガーの価値が高まる結果に。強いVトリガーを持たないキャラクターは、立ち回りで勝てたとしてもその後のトリガーを堪え忍ぶか、発動させずに倒しきる(柔道やCAなどで)ことが求められた。

 


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追加キャラクターは豪鬼コーリンエドアビゲイルメナト是空の六キャラクター。

 

<総評>

ジャングラの削除により、さらに防御手段が無くなったことで攻めが強力なキャラクターが台頭。

また柔道格差が大きく、あるキャラのないキャラで同じゲームをしていない状態だった。下位のキャラクターと上位のキャラクターの差があまりにも大きく、アップセットを起こすことが非常に難しかった。

依然として攻めが強い環境で、トリガーと柔道で一気に勝負がつく展開が多かった。

 

シーズン3

【シーズン3の主な特徴】

柔道ほぼ削除

Vトリガー2の追加

ラカン補正悪化

トリガーキャンセル補正悪化

必殺技グラップ廃止

 

柔道ほぼ削除:これにより立ち回りが強いキャラクターや低体力キャラクターが恩恵を受け、一度の画面端の攻めで崩されにくくなった。

 

Vトリガー2の追加:コーリンやラシード、ガイルなどの一部キャラクターは新たなトリガー追加によって、使い分けの選択肢や実質的な強化が与えられた。

 

ラカン補正悪化:クラッシュカウンターからのコンボが補正が悪くなり、火力が減少。立ち回りでの事故的なクラッシュカウンターからのリターンが減ったことで、立ち回りキャラクターに追い風。

 

トリガーキャンセル補正悪化:トリガーキャンセルによるコンボが補正の悪化で減りにくくなった。先述のクラカン補正悪化と合いまって、クラカントリガー発動からの高火力コンボが全く減らなくなってしまった。かりんやネカリなどのクラッシュカウンターからのトリガーコンボを武器にしていたキャラクターには向かい風の調整に。

 

必殺技グラップ廃止:必殺技に仕込むグラップまで廃止され、プレイヤーは投げと打撃を純粋に読む必要が生まれた。グラップ(投げ抜け)を入れる危険性が高まり、密着によりやすいキャラクターは追い風に。

 


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追加キャラクターはさくら、ブランカファルケコーディー、G、サガット

残念ながら例年のシーズンとは異なり、まともに戦える追加キャラクターはいなかった。

 

<総評>

ラカン補正の悪化や柔道の削除から立ち回りが強いキャラクターや低体力のキャラクターの安定感が大幅に上昇。守りに難があったキャラクターもより攻めに力をいれやすくなった。

トリガーの補正が悪化したが、トリガー格差自体は解消されず。むしろ柔道が無くなったことにより、ほぼ確実にトリガーを発動する機会が得られトリガー格差が如実に現れる結果となった。

メナトアビゲイル、ガイル、キャミィ豪鬼、いぶきが環境トップに君臨。下のキャラクターも少しの強化をもらったがその差は縮まるどころかよりチャンスが減った。

 

 

まとめ

シーズン1→シーズン2では、統一した調整基準が見えなかった(柔道格差やトリガー格差)。

シーズン2→シーズン3では柔道に関する部分を統一、また一部キャラクターの強すぎるクラカン技のために補正を悪化させるなど、大味な箇所を修正した。(統一感のある調整)

しかしシーズン3は強キャラクター達の安定感が増す結果をもたらし、今まで何とかシーンに食い込めた中堅どころのキャラクター達までもが勝ち上がることが難しくなってしまった(単純なキャラクターの性能差は縮まったのだが、結局ワンチャンスを掴む力が減ってしまった)。

特にシーズン3の途中に入れられたアップデートによってアビゲイルとラシードには大きなメスが入れられたのだが、依然として強かったキャミィは何故か強化を受けていた。

調整基準が非常にブレているように感じられ、何か作為的なものを感じざるを得ない。

 

 

今後の調整に対する希望

今後の調整への希望としては、これまで数多くの下方調整を繰り返してきたストリートファイターVの方針を転換し、上方修正を基本としたものにしてほしい。

現状の強いキャラクター達の一部の技は威力や硬直を調整するなどしても良いが、単純にフレームを弄ることだけはやめてほしい。

「今まで繋がっていた技が繋がらない」

この不満だけはいつまでたっても解消されることはない。

 

僕がとにかく調整で重視してほしい部分は、全てのキャラクターに「気持ちいい」瞬間が必ず訪れることだ。

 

具体的な例を示そう。

現状のリュウvs豪鬼では、リュウ豪鬼に対してパワハラ出来る瞬間は一瞬たりとも存在しない。立ち回りで不利なリュウが、トリガーでも負けているのである。

対戦中に少しでも自分の有利な時間があれば、相手の有利な時間も納得出来るのだが、それが現状“無い”のだ。

 

とにかくシーズン4に期待したいのは、全てのキャラクターが“これは凄い”と思える武器を持つことだ。

 

自分のキャラクターが相対的に弱くても良い。

 

ただ、

「キャラクターを動かしていて、気持ちいい瞬間が欲しいのだ」