遅らせ打撃のすゝめ(上)
いきなりネタ感満載ですが、今回は遅らせ打撃について解説していこうかと思います。
基本的には、起き攻め時の選択肢としての「遅らせ打撃」になります。
遅らせ打撃の持つ狙いや特徴について少しでも分かっていただければありがたいです。
※フレームの概念を理解していないと少し分かりにくいかもしれません
フレームについてはこちらの記事を参考にしてみて下さい
遅らせ打撃とは?
その名の通り、
「遅らせて打撃を打つ」
これだけです。
しかし、
「せっかくの起き攻めなのに、
わざわざ遅らせて打撃を打つ意味あるの?」
と思う方もいるかもしれません。
あるんです。
※遅らせ打撃の強さ理解するには、フレームの概念や投げの攻防、遅らせグラップ(投げ抜け)仕組みを理解している必要があります。
不安な方は冒頭に貼ったリンク先の記事で少し確認してみてください。
それでは次に「遅らせ打撃」がどのような意味を持つ行動なのか確認していきましょう。
遅らせ打撃の狙い
あえて相手の起き上がりに対して、遅らせて打撃を打つのが遅らせ打撃。
わざわざ遅らせ打撃を重ねる訳ですから、何か狙いがあるはずですよね。
実は遅らせ打撃の持つ狙いにはいくつかあります。
①遅らせグラップ潰し
②ファジー打撃潰し
③発生の早い無敵技ガード
では次に遅らせ打撃が、何故それらの選択肢に勝てるのか解説していきます。(今回は①と②のみです)
①遅らせグラップ潰し
遅らせグラップとは、投げ抜け猶予が7fあることを活かした防御方法になります。
これを使うことで暴れ潰しの連携をガードしながら、投げられた場合には投げ抜けをすることが出来ます。
(イメージ)
しかし投げ抜けの仕様上、実際には投げが出ているのと同じです。投げの発生は5fでしたから、投げの判定が出るまでに潰せる猶予は4fあります。
基本的に遅らせ打撃による投げ抜け潰しとは、この投げ発生までの4fの間に打撃を当てるものです。
他に投げ抜けを狩る方法として、
後ろ下がりやバクステによる、投げ抜け漏れを狩るやり方があります。
これをシミーや投げシケ狩りと言ったりしますね。
しかし遅らせ打撃のリターンはそれらの比ではありません。
何故なら…
「投げ抜けを打撃で潰すことで、カウンターになるから」
カウンターコンボに繋げることで、普段は繋がらないはずの高火力コンボが出来ます。
残念ながら投げ抜けのタイミングは一定では無いため、難易度は跳ね上がりますが
それに見合ったリターンも持っているのです。
②ファジー打撃潰し
ファジー打撃と書きましたが要するに、
相手が起き上がりなどに弱pなどの打撃を遅らせて入力していることを意味します。
イメージとしては“遅らせグラップの打撃版”です。
ファジー打撃は投げを受け入れた上で、投げ抜けを狩ろうと動く相手を咎めるためのオーソドックスな防御方法になります。
例えば相手の投げ抜けを狩る場合は後ろ下がりやバクステ、垂直などを見せますよね?
これらに対してファジー打撃を見せることで、相手の攻めを途切れさせることが出来るのです。
相手のファジー打撃を潰すのにも、遅らせ打撃が機能します。
潰す原理としては投げ抜け潰しと殆ど同じですが、投げよりも発生の早い3f技等を潰そうとすると猶予が少なく難易度が高いです。
ファジー打撃を読んでいた場合、基本的には投げを重ねるのが安定ですが、ここぞと言うときにはリターン重視で狙うのも良いでしょう。
まとめ
「遅らせ打撃」は相手の防御手段の一部(遅らせグラップ、ファジー打撃)に効果的だと分かりましたね。リターン面においては他の選択肢と比較しても、特に優秀なのはお分かり頂けたでしょうか。
カウンターを狙うのがこの遅らせ打撃の真骨頂ですから、カウンターコンボの精度や確認はしっかり磨いておきたいところです。
次回は「遅らせ打撃のすゝめ」(下)ということで、遅らせ打撃が持つ無敵技へのケアについて解説していきます。
次回をお楽しみに!
【余談】
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
非常に有名な言葉ですが、単純に平等を表現した言葉ではありません。
この後には「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり」(賢い人と愚かな人の差は、学ぶか学ばないかによって生じるものである。)とある。
つまり人間社会において身分や貴賎の格差が生まれるのは、学問を修めたかそうでないかであるということ。
学びを怠ることを戒めるためにも、彼の言葉の真意は忘れたくないものですね。
続き
【キャラクター紹介】ケン(必殺技編)
前回はケンの通常技、特殊技についての解説でした。
今回は必殺技編になります。
ケンは胴着キャラクターでもあり、シンプルですが強力な必殺技が揃っています。それでは確認していきましょう。
ケンの必殺技
・波動拳(236p)
発生:ノーマル14f、EX12f
硬直:ノーマル49f、EX45f
威力:ノーマル60、EX90
⇒飛び道具である波動拳。
他の胴着キャラクターと比べると硬直やダウン性能の面で一段落ちてしまう。その代わり弾速が非常に遅く、対空の前進距離も長いことから垂直での弾避けを許さない。弾撃ち主体で立ち回れるほどの性能は無いが、相手を動かすだけの性能はある。
弾を撃ちながら相手の置き技を制限して、本命の前ステップや飛びを通していこう。
・昇竜拳(623p)
発生:弱3f、中4f、強4f、EX4f
威力:弱110、中130、強140、EX160
⇒コンボや対空、無敵技での切り返しなど様々な用途で使うケンの主力必殺技。
ケン使いとして上手くなるためには、この技を使いこなす必要がある。
②強昇竜の前進距離が多い
③中昇竜対空の後、両受け身に対して起き攻め可能
④EX昇竜拳から起き攻め可能
中昇竜対空の後に起き攻めが出来る上に、なおかつ威力も130。つまり対空リターンがとても高いということになる。
また無敵技であるEX昇竜の後にも起き攻めがついてくるため、積極的に使ってもリスクリターンが合う。相手にEX昇竜拳をケアさせた立ち回りを強いることで、なるべく被起き攻め時のダメージを減らすことが出来る。
・竜巻扇風脚(214k)
発生:弱3f、中6f、強14f、EX8f
威力:弱50、中80、強140、EX160
⇒運び性能ピカイチの竜巻扇風脚。
特にEX竜巻は弱攻撃や中kタゲコン、中足確認から繋げられて、一気にラインを上げることが出来る。
また強竜巻は顎撥二連や立中pからコンボになり、ヒット後は前ステップ屈弱p→立弱p連キャンで両対応起き攻めも可能。
運び、起き攻めの両方が高い水準に備わっている技と言える。
・空中竜巻扇風脚
威力:ノーマル80、EX70
⇒空中軌道変化技。
ノーマル版はしゃがみにヒットし、めくり性能もついている。低めでヒットさせればコンボにいけるため通常技対空のキャラクターにはタイミングをズラす目的で使用しよう。また昇竜対空キャラクターに対しても昇竜拳をスカすことが出来る。
またEX版は軌道がキャミィのキャノンストライクのような急降下技になる。こちらも通常技対空を潰すように打つとよい。当てた後は追撃も可能だ。
ケンの特徴まとめ
①最速の前ステップやVスキルダッシュ、速い歩き速度からの強襲
②屈強p、中昇竜対空などの各種対空からのリターンが高い
③後ろ投げの運び性能がトップクラス
④強竜巻、EX竜巻の運び性能が高い
⑤ヒット確認可能な中足による後ろ歩き抑制
⑥無敵技からの起き攻め
⇒対空のリターンは全キャラクター中屈指の高さを持つ。
特に中昇竜は、威力が130の上に起き攻め付きは破格の性能。また屈強pからの表裏、後ろ投げ択も強力で、ケンを相手に安易に飛ぶこと自体が負けに繋がると言っても過言ではない。
また後ろ投げや竜巻扇風機脚の運び性能が高く、何か技を引っ掻け時の画面端に相手を持っていく力が非常に強い。
画面端はコンボ火力が伸びる上に、真上に強い対空を持つことから画面端の期待値も良い。積極的に前に出て、相手を画面端に追いやるのがケンというキャラクターの真骨頂と言えるだろう。
今回のキャラクター紹介ケン編は以上になります。
次回のキャラクターは未定ですが、今回のように通常技編と必殺技編に分けて書いていこうかと思います。
それではまた次回をお楽しみに!
【キャラクター紹介】ケン(通常技、特殊技編)
お久しぶりです。
今回のキャラクター紹介記事は“ケン”です。
非常にスタイリッシュでカッコいいキャラクターなので、その魅力を伝えられればと思います。今回は通常技、特殊技編ということで基本的なステータスに加えて、特徴的な各種打撃技を解説していきます。必殺技に関しては次回になる予定なので少しお待ちください。
それでは早速基本的なステータスから見ていきましょう。
基本性能
体力:1000
スタン値:1000
前ダッシュ:15f
後ダッシュ:24f
前歩き速度(1fあたり):0.0500
後ろ歩き速度(1fあたり):0.0320
⇒体力、スタン値はそれぞれスタンダードな1000。またステータスの中で特徴的なのは前ダッシュのフレーム、そして前歩き速度。
豪鬼やバルログ、さくらほどの前歩き速度はないが、キャミィやジュリと同じ速さなので全体的に見たら速い部類。
また前ダッシュフレームは最速15f組で、他には春麗とラシードしかいない。速いダッシュをちらつかせた投げと打撃が強力な攻撃的キャラクター。
特筆すべき通常技、特殊技
・しゃがみ弱k(2LK)
発生:4f
ヒット:+4f
ガード:+1f
⇒ケンの崩しの中で地味ながらも強力な技のため、真っ先に紹介したい。
このしゃがみ弱kの特徴は下段の弱攻撃でありながら、ヒットで+4fになるところ。
この技がヒットすると次の立弱kが連続ヒットするため、密着時の後ろ下がりを咎めやすい。
※立弱k(5LK)
発生4f
また連キャンで繋げる訳ではないので、手元が比較的忙しくなく、ヒット確認も容易なところがありがたい。
「しゃがみ弱k→立弱k」まで連携を入れこんでヒット確認し、必殺技まで繋げよう。
・立中p(5MP)
発生:7f
ヒット:+3f
ガード:+2f
⇒リーチ、発生、判定、全体硬直のバランスが良い。
立ち回りでこの技に強、ex竜巻扇風脚を仕込むのが非常に強力。画面を一気に運びながら起き攻めもしっかりついてくる。
当たった時のリターンが大きいため、この技を振っておけば相手は前ダッシュしにくくなる。
・後ろ投げ(Back Throw)
⇒運び性能が全キャラクター中トップレベルな上に、画面端の場合は起き攻めがついてくる。
中央で後ろ投げを決めればそれだけで相手を画面端に運ぶことが出来るため、投げを食らって安く済ませるという安定行動が取りにくい。
つまり画面中央から投げの期待値が高いため、相手は投げに対する回避行動を取らざるを得なくなる。投げを回避する行動(グラップ、バクステ、ジャンプ)などに対してしっかりとリターンを取ろう。
・しゃがみ強p(2HP)
発生:6f
持続:5f
⇒対空用の技。ヒット後にVスキルキャンセルをすることで見え難い表裏をかけることが出来る。
相手の飛びを落とす位置、キャンセルのタイミングによって表裏がかかるためリターンが高い。またケンの後ろ投げの運び性能がダントツに高いため、中央ですら簡単に投げを受け入れる訳にはいかなくなる。
裏に回ってからも投げと打撃でしっかりと択をかけるように心掛けよう。
・顎撥(4MP)→顎撥二連(5HP)
発生:5f
ヒット:0
ガード:-2f
⇒ケンの主力ターゲットコンボの一つ。
立弱pヒットからコンボになり、ターゲットコンボの顎撥二連(5HP)まで繋げると必殺技キャンセルが出来る。
つまり一言で言えば、“弱攻撃からのコンボ火力と起き攻め状況が良い”と言える。
もし顎撥二連まで入れ込んでしまった場合は確定反撃(-13f)となってしまうため、ex波動(ガード+1f)にキャンセルして攻めを継続しよう。
発生:26f
ヒット:+2f(+3f)※()はしゃがみ状態の相手
ガード:-6f
⇒しゃがみの相手に当てた場合+3fになるため、弱竜巻が繋がる。中段攻撃からコンボにいけるキャラクターはケンの他にはいぶき、バイソン、トリガー中の春麗、ララ等がいる。リターンが非常に高い代わりに発生が遅いため、慣れてきた相手は見てから立ってくる。
しかしホールドしなかった場合はフェイントをかけることができるため、フェイントから先程のしゃがみ弱kを打つことで下段の崩しも可能。
※ファジー幅があるため、上級者には意識の範囲内ではどちらも対処されてしまうので注意
次回は必殺技編です。
またこれまでの解説を踏まえて、ケンの強みを解説していく予定です。
こうご期待!
【ストV 防御テクニック】バックステップの復習(※2021年1月更新)
バックステップを使いこなそう
※2021年1月更新
今回はバックステップの強さについて詳しく解説していこうと思います。
発売当初は様々存在していた防御テクニック。例えばジャングラ、中pグラ、必殺技仕込みグラ等々…
しかしそれらは既に削除され、正々堂々と投げと打撃に読み合わなければならなくなりました。
つまり、防御手段が減ってしまい誤魔化しが効かなくなったということです。
しかしながら発売当初から変わらず強いままのシステムもあります。それが…
⇒“バックステップ”
ただガードと投げ抜けを使い分けるだけでは、暴れ潰しと投げ抜け誘いの後ろ下がりだけでダメージを取られてしまいます。
そこでバックステップを上手く混ぜることにより、読み合いの選択肢を増やしてなるべくダメージを貰わずに凌ぐことが出来るのです。
それではバックステップについて詳しく解説していきます。
バックステップの基本性能
・全体フレーム
最速:21f(リュウ、キャミィ、春麗、バルログ、かりん、ララ、いぶき、豪鬼、コーリン、カゲ、ルシア)
速:22f(ベガ、ネカリ、是空)
普通:24f(ナッシュ、ケン、ラシード、ファン、アレックス、バイソン、ジュリ、メナト、ブランカ、サガット、本田)
遅:25f(ミカ、ザンギエフ、ダルシム、ガイル、ユリアン、アビゲイル、ファルケ、G、ギル)
最遅:26f(バーディー)
バクステの距離や全体フレームの長さはキャラクター毎に異なるため、自分のキャラクターの性能は覚えておきたいところです。
・判定
“3f目から空中判定+被カウンター判定になる”=“入力から2fまでは地上食らい”
※空中判定+被カウンター判定の持続はキャラクター毎に異なる
空中判定になると投げやコマ投げをスカすことが出来ます。
また打撃を食らったとしても空中食らいになり追撃を貰いません。
この仕様をどのような局面で利用するか、いくつかピックアップしてみましょう。
①密着され打撃で固められている時
3f暴れ潰しのような連携の場合、固めと歩き投げや固め直しの択に付き合わされてしまいます。しかしバックステップを使うことによって空中食らいで逃げることが可能です。
例えばよく見かけるリュウの中p→中pの連携
発生5fの中攻撃でガードでリュウ+1fと、最速の打撃の発生が4fのキャラクターの場合は割れない連携となります。
しかしこの連携は1段目の中pをガードした後に、最速でバックステップをすることで回避することが出来ます。
他にも、アレックスのラリアット→中p
ラリアットをガードさせるとアレックス側が+3fとなり、コマ投げと打撃の択になります。
この連携に対してバクステを見せるとどうなるか。
3fから空中判定になりますから、中pは空中食らいで済みます。もちろん相手がコマ投げを選択していた場合はスカすことが出来るので反撃確定です。
このように、ただガードしたり投げ抜けしたりでは凌ぎきれない局面でもバクステを見せることで両方に対して安く済ませることが可能になります。
またこのような打撃を一発ガードした後のバックステップを、「ワンガードバクステ」と呼んだりします。
非常に強い防御方法なので是非使いましょう。
②コマ投げ読み垂直をケアした通常投げをされた時
一見分かりにくい例ですが、
ララやミカ、ザンギエフなどを相手に垂直でコマ投げをスカそうとした時、相手が通常投げを選択していたとします。
そのような場合、対空が間に合ってしまい再び密着の択が始まってしまうケースがあります。
つまりコマ投げキャラの側は、
コマ投げ読みの垂直に対して通常投げを重ねながら対空まで出来るわけです。
対空されないようにしながらコマ投げと通常投げを避けるには、バックジャンプかバクステになります。
③密着起き攻めされた時
被起き攻めの際にも単純に投げ抜けを入れるのではなく、リバサバクステの選択肢を見せましょう。
相手の投げ重ねに対してや、無敵を警戒した遅らせ打撃、投げ抜け誘いの後ろ下がり、垂直投げ抜け狩り等の選択肢を安く済ませることが可能です。
逆に負けてしまう選択肢としては、
起き上がりの2f目までに重なっている打撃やクラカン属性の技、小技当て投げ(バクステのタイミングがズレてしまい対処が難しい)等になります。
相手がどのような技を起き上がりに重ねてくるのか注意を払いながら、使い分けてみましょう。
④密着を作られ、後ろ下がり読みの下段を振られた時
相手の当て投げに対して、後ろ下がりで避けるというのは非常に強い行動になります。
しかしながら相手もせっかく密着を作ったわけですから、そう簡単に後ろに歩かせて貰える訳もありません。
後ろに歩くばかりでは、適度に下段を混ぜられて手痛いダメージを取られてしまいます。
しかし距離を取らなければ投げられてしまうかもしれないし、固め直されてしまうかもしれません。
そんなときにもバクステは有効です。
キャンセルの効くような中足はバックステップで空中食らいになり、投げの場合は避けることが出来ます。
固め直しの歩き打撃もスカすことが出来ますから咄嗟に距離を取りたい場合に有効です。
結局何に勝てて、何に負けるの?
◆勝てる選択肢(安く済ませられる)
①投げ重ね
②遅らせ打撃(空中食らい)
③投げ抜け狩りの後ろ下がり
④投げ抜け狩りの垂直
⑤3f、4f暴れ潰し連携(空中食らい)
※ガード+2fの弱技で、初段が持続当ての場合はバクステ空中食らい不可
例)ネカリ弱k重ね、かりん弱k重ね、ラシード屈弱p重ねetc...
◆負ける選択肢
①空中判定移行の2f目までに重なる打撃
③小技当て投げ
※バクステタイミングがズラされるため(対処可)
④相手の前ステ
⑤空中コマ投げ(ザンギエフのボルシチ、ミカのエアプレーン、アレックスのEXエアニーなど)
上記のようになります。
抜けや間違いがありましたら連絡下さい。
勝てる選択肢の多くは投げ関連になるのが分かりますね。
また打撃についても、空中食らいで安く済ませられると考えれば遅らせ打撃などには読み勝ちと考えて良いでしょう。
それでは今回の記事はこれで終わりになります。
【キャラクター紹介】リュウ
今回から各キャラクターの特徴、長所や短所を紹介していく記事を書いていきます。
第一回はストリートファイターシリーズ、永遠の主人公であるリュウです。また簡単なセットプレイなども紹介していきたいと思います。
基本性能
体力:1000
スタン値:1000
前ダッシュ:16f
後ダッシュ:21f
前歩き速度(1f当たり)0.0470
後歩き速度(1f当たり)0.0320
必殺技
・波動拳(236p)
威力:60(100)
スタン値:100(150)
発生:14f(11f)
全体硬直:45f(42f)
※()はex版
⇒リュウを象徴する波動拳。弱中強でそれぞれ弾速が変わり、弱で遅い弾、強で速い弾を撃つことが出来る。この弾の緩急で相手を翻弄し、飛んで来たところを昇竜拳によって対空する。これが波動昇竜と呼ばれる戦術になる。
強みは一度出てしまえば差し返しがされないという点だが、逆に弱みは飛ばれてしまうと大ダメージを受けてしまうこと。また弾抜けと呼ばれる性能の技相手にも波動拳をすり抜けられて攻撃されてしまう。
S4で大幅な強化を受けて、硬直減少や弾速の緩急が強くなるなど波動が強力になった。胴着キャラクターの中では最も強いこと弾を持っているため、キャラクターの差別化がより鮮明になった。
弾で相手を動かして、その行動を潰していくようなスタイルはケンや豪鬼では難しい。そのようなスタイルを目指したいならリュウが良いだろう。
・昇竜拳(623p)
威力:弱100、中120、強130、ex160
スタン値:150(200)
発生:弱3f、中4f、強5f、ex3f
性能:
弱=1~3f投げ無敵
中=1~6f対空無敵
強=3~6f弾無敵、打撃無敵
ex=1~15f完全無敵
⇒様々な用途で使われるのがこの昇竜拳。コンボの締めはもちろん、対空や無敵ブッパでも大いに活躍する。
弱中強exとそれぞれ性能が変化し、それに応じて使い分けなければならないため、初心者は気をつけるポイントに。
弱版→相手の投げを読んだ時に
中版→相手の飛び攻撃に
強版→遠めの対空、3f潰し連携への割り込みに
ex→相手の重ねを読んだ時に(相手が技を振っていれば必ず当たる)
昇竜拳を食らった後は後ろ受け身を取ることで、起き攻めを避けることが出来る。
しかしex版のみ当てた後の最速前ステップがその場受け身に-3f、後ろ受け身に+2fという状況になる。普段は後ろ受け身で良いが、ex版だけは後ろ受け身で有利フレームを作られてしまうので気をつけよう。
威力:弱90、中100、強110、ex140
スタン値:150(150)
発生:弱10f、中12f、強14f、ex10f
⇒中、強、exには弾抜け効果が有るものの、弾無敵がつくタイミングがおそく、技の発生が遅いことも相まって見てから抜けるのは難しい。
当てた後にまともな起き攻めにいける技はこの竜巻しかなく、リュウの起き攻めの起点を作るための生命線となる。
EX以外はしゃがんでいる相手に当たらないため、コンボする時は相手が立っているかしゃがんでいるかは必ず確認。
ちなみにS4の調整を受けて、EX竜巻から晴れて起き攻めが可能になった。以前はその場受け身に五分、後ろ受け身に重ならないという散々な状況だったが、現在はしっかり起き攻めになる。
・上段足刀蹴り
威力:弱70、中80、強100、ex80
スタン値:150(150)
発生:弱10f、中16f、強18f、ex18f
⇒S3で追加された新技、上段足刀蹴り。
S4の調整で発生が大幅に強化され、小技から弱足刀、中足から中足刀、立中p、屈中pから大足刀が繋がるように。
またEX上段足刀蹴りは単発の威力が低い変わりに、ヒットすると相手が壁バウンドするため強昇竜での追撃が出来る技になっている。
用途としては置き技に仕込みつつ、ダウンを奪ってラインを上げたり、EXをコンボに使い火力をアップさせるたりなど。竜巻がしゃがみ相手に当たらないこともあって、ノーゲージでダウンを奪いたい場合はこちらのコンボを選択することもある。
残念ながら中央では後ろ受け身に起き攻め出来ないが、画面端限定で前ステップからかかと落とし(4大k)を重ねることで両対応になる。
☆主なセットプレイ
1.弱竜巻→前ジャンプ
その場受け身にめくり飛び重ね、後ろ受け身に安全飛びに
安全飛び=重ならない変わりに昇竜をガードできる飛び
※遅らせて前ジャンプすれば詐欺飛びも可能
2.弱竜巻→前ステップ×2
その場受け身に+4f、後ろ受け身に+9f。
後ろ受け身にも投げを重ねられるレシピ。
3.中竜巻→前ステップ
その場受け身に+2f、後ろ受け身に+7f。
弱竜巻との違いは後ろ受け身に対して弱竜巻よりも離れてしまうこと。その代わり相手の投げ暴れも後ろ歩きでスカせるため、シミーを狙う場合は有効。
4.大竜巻→後ろ投げor垂直ジャンプ
その場受け身+5f、後ろ受け身+10f。
受け身を見て後ろ投げを重ねることで、威力150、スタン値200の投げを押し付けることができる。相手が投げ抜けするようになれば、今度は垂直ジャンプから投げ抜けを狩り、もう一度大竜巻からの攻めに持っていくことが出来る。
5.(画面端)弱竜巻→中p(フレーム消費)→鎖骨割り
中段攻撃による両対応という恐ろしい連携。恐らくリュウしか出来ない中段による両対応で、さらに後ろ受け身の場合には+3fとなりコンボにいける。
受け身無しに対しても、大k空振りから起き攻めに持っていけるため、リュウの数少ない分からん殺し連携。
6.(画面端)上段三連撃→VT発動→立弱p→前ステップ表裏
上段三連撃からVトリガーを発動して、浮いている相手をペチッと落としてから前ステップで表裏択をかける。
最速で前ステップをすると表、ほんの少しディレイをかけると裏になる。
キャラクターコンセプト
基本的には「自分から攻める」と言うよりも「相手を迎撃する」キャラクター。そのために飛び道具の波動拳と対空技の昇竜拳を持たされている。
自分から攻めて行こうとすると、どうしても豪鬼やケンの方が攻めるためのパーツを持っている。そのため守備的な立ち回りがリュウの特徴となる。
弾の性能だけで見ると、サガットの方に分が有るが、サガットの足回りや身長を考えるとリュウの方が小回りが効く。また攻めの点でも、サガットよりも前ステップや飛びが優秀で差別化はしっかりされている。
弾だけではなく、距離調整を含めて相手を翻弄して勝つのがリュウというキャラクター。
打撃のリーチが残念ながら短いのも、相手を迎撃する作りになっているためだ。相手の前進を咎めるように中足や屈中p、波動拳を有効に使っていこう。
ダイヤグラム、使用率(2019年2月)
※ファンが凄いことになってます笑(記事後半)
2019年2月分のダイヤグラム、使用率
さて、2019年は早くも3月に入り、CPTの時期が迫ってきました。S4が始まってから約2ヶ月位経ち、プレイヤーもS4への適応が十分に出来てきた時期ではないでしょうか。そんな中で2月分のキャラクターダイヤグラム、使用率が発表されたのでそちらをまた考察していこうと思います。
もちろん前回のデータと比較して、どのような変化があったかを見ていきます。
ダイヤグラムの推移
【前回】
(※上位13キャラ 2019年1月)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【今回】
(※上位13キャラ 2019年2月)
相変わらず上位4キャラはユリアン→ベガ→ダルシム→バルログの順でした。
しかしとてつもなく大きな変化として、勝率第五位にはなんとファンが一気に登り詰めています。ブランカ、バイソン、ガイル、バーディーなどを押し退けてこの位置にいるため、ある程度評価を変えなければならない段階にきているかもしれません。
またもう1つ変化した点はザンギエフOUT→アビゲイルINということでしょう。前回はアビゲイルの下方修正点に適応する時間が少なかったために、勝率がイマイチ伸びなかったのかもしれません。
逆にザンギエフはトップ13キャラからは姿を消してしまいました。技の判定強化や白ダメージ関連調整の後押し、コマ投げ威力の増加、ダブラリ対空後の状況改善等々、さまざまな強化を受けたザンギエフでしたがここに来て“伸び悩み”が発生しているようです。プレイヤーの多くがザンギエフ戦と向き合って、対策が進んだことも影響があるかもしれません。今後のザンギエフの動向に注目です。
使用率の推移
次はキャラクター使用率です。上位5キャラ、下位5キャラで比較していきます。
【前回】
(2019年1月)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【今回】
(2019年2月)
胴着キャラクターが使用率上位なのは変わらなかったが、ザンギエフが第五位の座から姿を消して、再びガイルが返り咲きました。ガイル使い達はサブキャラを練習したのかもしれないが、結局またガイルに戻ってきたのかもしれません。
また前回の記事ではメナトの使用率が減ってきており、万年最下位であったファンを抜くのではないか…?と予想をしていました。
しかし…
ファン、猛然とスパート(使用率0.874%)
メナトに使用率で追いつかれそうだったところから、さらに約1%突き放すということを底力を見せました。(どれだけ使用率最下位を突っ走りたいんだ…)
しかしながら勝率の観点から言えば、ファンは全体勝率第五位まで食い込んできており、その希少性故に相手の対策不足も相まって勝率を上げてきているのでしょう。100人に1人も居ない、選ばれしプレイヤー達が懸命に勝率を上げている形でしょうか。
しかしそれにしてはメナトは使用率も勝率も低いです。難しいキャラクターだとは思いますが、下方された部分が安定感を失わせているのかもしれません。今年のCPTでのメナト使いのプロには目が離せません。
まとめ
ザンギエフの全体勝率が下がり、トップ13から姿を消しているのは意外でした。またファンもここ最近評価を上げて来ており、その結果がデータに現れた形でしょうか。
逆に使用率の観点からもファンは特別なキャラクターです。まさかあそこから使用率がここまで下落するとは…
色々と癖があるキャラクターですね。
今後CPTが始まりますが、新しいキャラクターの追加もあるかもしれません。この環境が変わっていくことが予想されるので、まだまだストリートファイターV、シーズン4が楽しみです。
【スト5 攻略】再考:ゲージ運用の考え方(2021年3月更新)
ゲージ運用を見つめ直そう
※2021年3月更新:フレーム等が変更されており若干内容を修正しています
今回はゲージの運用、並びにそれに関連した戦略を考察していきたいと思います。
ストリートファイターVは安定して勝つのが難しいゲームと言われ、他のプレイヤーと差をつけられる部分が少ないと言われています。
しかしこのゲージの運用に関しては、プレイヤーによって千差万別。ここの部分を詰めていけるプレイヤーは一歩先に進めるはずです。
ゲージの使い方で戦略自体も大きく変わってきますので、これを深く理解すれば、自ずとどのような対戦イメージを持って臨むのかがより明確になります。
EXゲージ
EXゲージを溜めるには…
①技をヒットさせる
②ダメージを食らう
③技をガードする/させる
④必殺技を空振りする
これらの方法でEXゲージは増加しますので、全ての方法を総動員させてゲージをフル活用すれば勝ちに繋がりやすくなります。
主にEXゲージの使い方としては、EX必殺技とCAの2つがあります。
次はそれぞれの特徴から押さえていきましょう。
EX必殺技とCAの特徴
◆EX必殺技
3ゲージあるEXゲージの内、1本を消費して放つ強化された必殺技のこと。主な用途としては火力の増加、コンボを伸ばす、立ち回りの強化があります。
大まかな分け方として、“能動的に使える”EX技と“状況限定的”なEX技の二つに分ける考え方が出来ます。
また別枠としてEX無敵パナシもありますがここでは割愛。
【能動的に使えるEX技】
“能動的に使える”とは、例えばリュウのEX波動、ベガのEXデビリバやダブルニー、バイソンのEXダッスト、いぶきのEXくない等。総じてそれがあることによって、相手の行動を抑制しつつも出してもリスクが少ない技です。
これらを多く使用することは各キャラクターの立ち回り強化に繋がります。
【状況限定的なEX技】
次に“状況限定的”とは、単にコンボ火力の底上げや確定反撃があるなど、使える状況が限られてしまったりリスクが大きすぎたりするEX技のことです。
例えばネカリのEX突進や影のEX空靂、ファルケのEXカタパルト、かりんのEX天狐や大蛇等、主にコンボでしか使えず、なおかつガードされてしまうと痛い反撃があるものです。
これらは単純に出すだけでは立ち回りの強化には繋がりません。
実際にはコンボの火力アップをちらつかせて、相手の行動を制限していくような使い方になります。
例えば2ゲージあるかりん相手にコンボ始動の中足や立大pに当たると、中央からでも300越えのダメージを叩き出されてしまいます。
この火力による行動の制限が“状況限定的”なEX技の特徴です。
他にもケンのEX竜巻やバルログのEXテラーなど画面運びを重視して選択するEX技もあります。戦略によってこれらをどのように使うかを決めていきます。
◆CA(クリティカル・アーツ)
全てのゲージを吐いて発動する大技、それがCAです。
主な特徴としてはその火力。単発で当てても300以上のダメージが期待出来ます。
コンボに使えば400以上、飛びからでは一部のキャラクターは500を越えるダメージが叩き出すことが出来るため、一発逆点も可能になっています。
主な用途としては、相手のVトリガー(3本)を発動させずに倒す、一発逆転、確定反撃を増やす、削りフィニッシュ等があります。
【3本Vトリガー抑制】
その火力の大きさから、3本Vトリガーのキャラクターの場合発動させずに倒してしまうことが可能です。3本トリガーは非常に強力に設定されているキャラクターが多いため、相手の強みを封じることに繋がります。
また2本トリガーの相手にも2回発動を抑制するために使うことも出来ます。
ラシードやキャミィ、レインボー・ミカといった2回発動が現実的なキャラクターに対して一気にダメージを奪うことで2回発動を防ぐことが出来ます。
2本トリガーの相手キャラが、後少しでVトリガーが溜まるという時にCAを決めることで相手のVゲージの効率を一気に悪化させることが出来るのです。
↑このような状況
【一発逆転、起き攻め】
また一部のキャラクターのCAは、当てた後の状況が良く起き攻めが可能になっています。これが一発逆転に繋がってくるのです。
例えばVトリガー発動後のネカリ。
当てると相手を画面端に連れていき、前ステップから打撃と投げの実質2択に。
つまり、
“CAの火力+起き攻めの期待値がついてくる”
ということなのです。
もちろん起き攻めにいけるキャラクターとそうでないキャラクターがいるので、そこら辺は自分のキャラを調べて見てください。
以下にCAヒット後の状況が良いキャラの例を挙げておきます。
※間違えがあるかもしれませんが、その時は教えてください。
例)
ケン
ナッシュ
ベガ
バーディー
ネカリ(Vトリガー後)
上記のキャラクターはCAの火力だけでなくその後の択も強力なので、積極的にCAを狙うメリットがあります。
【確定反撃を増やす】
CAの発生は他の技よりも速いものが多く、普段では反撃出来ないような技に対してもCAだけは反撃がある、というようなケースがあります。
バッドリー・ピーチ(発生3f)
3fの発生により-3fが許されなくなる。またアビゲイルの立大pに確定が取れる珍しい技。
※リュウ
真空波動拳(発生4f)
バーディーのノーマルEXブルヘッドに対しての確定反撃や、ナッシュの中サイスへの安定した確定反撃になる。
ボリショイ・ロシアン・スープレックス(発生1f)
脅威の発生1f。
リスクが低めとされる-2fをものともしないので、CAを持つザンギエフ相手には不利フレームを背負えない。
【削りフィニッシュ】
これまでストリートファイターシリーズに存在した削りフィニッシュ。しかしストリートファイターVから削りフィニッシュはCAのみに変更になりました。
これによって体力ドットになっても詰みの状況が少なくなり、緊張感が最後まで続くようになりました。
確実にラウンドを取る手段としてのCAの価値は必然的に上がり、削りフィニッシュにいきやすいキャラクターは勝ちの安定感を手にします。
削りフィニッシュにいきやすいキャラクターとしてはリュウ、ケン、豪鬼、いぶき、サガット、ナッシュ、ガイルなど、連ガ連携で安定して削ることの出来るキャラクターです。
◆まとめ
通常時の立ち回りを強化したい場合=EX必殺技にゲージを回す。
終盤での逆転力を求める場合=CAにゲージを回す。
基本的にはこのような形になっていきます。
どうしてもEX必殺技をバンバン使えばCAを使うことは出来なくなっていきますし、逆にCAを狙うと通常時にEX必殺技を使いにくくなってしまうことを意味しています。
ではどのように戦略を立てるのか?
“キャラクターの個性に合わせてCAかEX必殺技かのバランスを決めていく”
これに尽きます。
“画面端で相手を倒したい”が戦略のコンセプトであれば、ゲージを使ってでも相手を画面端に持っていければOKです。そのためには立ち回りを強化するEX必殺技をバンバン使ってもよいという考え方になります。
逆にCAヒット後に起き攻めがあり、リターンが高いのであれば“CAと起き攻めで倒す”が戦略のコンセプトとして有効になるでしょう。
また細かい部分で言うと、“CAの当てやすさ”も重要になってきます。
いくらリターンが高いからと言っても、そもそも当てられる状況が限定されていれば、せっかくのCAもムダになってしまいます。自分のキャラがCAを当てやすいかどうかまで含めて戦略を立てるようにしましょう。
例を挙げるとすれば、ネカリは典型的なCAに回すタイプのキャラクターです。
EX必殺技でリスクが少ないのはEX決起ですが、これもガードで-2f。
※ガードで+2F有利に変更されています
当ててもダウンは奪えずにリターンも薄めです。
逆にCAは弾抜けや、中足に決起を入れ込めるためヒット確認CAが簡単、当てた後の状況が良い等、大きなメリットがあります。
もう1つ例を挙げるとすればベガです。
ベガはCAのリターンも高いキャラクターですが、それと同じくらい全てのEX必殺技が強力です。
EXデビリバ、ダブルニー、ブラストを有効に使い相手を画面端で固めるのが基本的なコンセプトになるでしょう。それが出来るだけの性能が備わっています。
【戦略を立てる上での目安】
・EX必殺技を能動的に使えるか
・ラインを大幅に押せる技があるか
・画面端のリターンが高いキャラか
・CAヒット後の起き攻めはあるか
・CAの発生が速く、確定反撃に使えるか
・CAは当てやすいルートがあるか
・削りフィニッシュがしやすいか
基本的にゲージを使うなら目指すは画面端、使わないならCAということになります。
自キャラがどちらに重きを置けば優位に立てるかを考察してみてください。勿論キャラ対策も関わってくるので使い分けも重要になってきますよ。
今回はこれで以上になります。
改めて自分のキャラクターがCAとEX必殺技のどちらを重視したスタイルにすべきか再考してみてくださいね。
【報告】EVO Japan2019の結果報告(二日目)
前回はEVO Japan初日の模様を記事にしました。
まさかの初戦敗北からのルーザーズ、不戦勝もありましたが、最後はなんとかいぶきのプレイヤーを倒して二日目に繋げました。
今回は二日目、初日よりもさらに一層レベルの高いプレイヤーばかりです。二日目の試合をお伝え出来ればと思います。
二日目ルーザーズの模様
ルーザーズ初戦の相手はウィナーズ側の敗者と当たることに。当然ウィナーズ側の試合を観戦して、対策を立てました。ウィナーズ側の試合はケン対エド。エドのプレイヤーの勢いが凄く、あっさりと1セットを奪ったが、徐々にペースを掴んだケンのプレイヤーが逆転する形で勝負がつきました。これでエドのプレイヤーとルーザーズで当たることが決まりました。
ウィナーズの試合を見終えて、知り合いの配信台での試合を応援するうちに、すぐにルーザーズの試合の点呼が始まりました。
・第一戦 対Cory Bell
相手が出したのはエド。
1セット目は危険な弾撃ちを極力控えた作戦が機能し、対空からペースを掴んだこちらが終始コントロール、危なげなく1セット目を先取。
次の2セット目、ここから相手のプレイヤーの緊張がほぐれてきたのか、エドのプレッシャーが増し、いくつかの読み負けも含めて取り返されてしまいました。
ここで選択に迫られました。
僕が下した決断は…
リュウ。
負けたら終わりのルーザーズ、ここまで僕を導いてくれたキャラクターのリュウを使わずに負けてしまったら、後で絶対に悔やんでしまうと思いました。
逆にリュウで負けてしまったとしても、ある意味納得出来るのではないか、そう考えてリュウを選びました。
3セット目、先ほどまでのサガットの弾が焼き付いているのか飛びがあからさまに少なく、こちらの前ステや飛びが刺さる。2セット目までのサガット戦の動きを明らかに引きずっている様子で、リュウのスピーディな動きについてこれていませんでした。
リュウの素早い動きで翻弄し、勝利をもぎ取ることに成功。
これでルーザーズ二日目初戦を突破することができました。
また実はこの試合、作戦勝ちでもありました。相手はエドの他に、ザンギエフを使うことも出来ましたが、最初にサガットを見せていたこともあり二先の関係上ザンギエフをリュウに被せることが出来なかったのです。
・第二戦 対kiyotea戦
お相手の方は是空使いの方。
癖のある是空というキャラクターを使うこともあり非常にタフな試合となりました。
こちらはまたもサガットを選択。
ジリジリとした展開からトリガー2(タイガーアサルト)のガードクラッシュを上手く活用し、1セットを取ります。
しかしながらお相手の方が即座にサガット戦の動きを修正してきたために、2セットをまたも取り返されてしまう。
再び選択の時、僕はまたリュウを選びなおしました。
お互い死力を尽くした戦いが続き、フルセットフルラウンドに。
互いに残り体力あとわずか、こちらのコンボが決まったためにほんの少しだけこちらが体力リードしていました。
ジリジリした展開が続き、ついにタイムアップの時間が迫る。
刻々とカウントが減っていき、残り5秒を切った。こちらは弾のフェイントで少しプレッシャーをかけつつバクステで距離を取ることを選択。無理に体力を奪うよりもタイムアップでの勝利に狙いを定めました。
しかしながら相手の方が使用するキャラクターは是空、特に若是空の歩き速度はトップクラス。残り2秒を切ろうかというところで追い付かれてしまいました。一発でも食らえばその時点で体力差は逆転してしまうギリギリの状況…
僕は読みなのか、見えていたのかハッキリとは覚えていないが、
“中段を立っていた”
是空の中段攻撃をガードした瞬間にタイムアップ、僕はルーザーズ第二戦を突破することが出来ました。
試合が終わった後、手が震えていて記念写真を取る際のピースが上手く出来なかったことは覚えています。
・第三戦 対yoyotai戦
相手は台湾の強豪ミカ使いのYoYo Tai選手。
チームX-Gear所属、LPは30万越えのWarlord。
とてつもないプレイヤーがウィナーズから落ちてきた。
しかしミカ戦は昔から知り合いとやり続けてきて、嫌なイメージはありませんでした。確かに強いプレイヤーだとは聞いていましたが、特に事前に調べることもせずいつも通り臨むよう心がけました。
二度の熱戦を制してきた僕には既に緊張はありませんでした。
これまでと同様サガットをくり出し、相手が
サガットに慣れていない部分を突くことで1セットを先取、またも同じように2セット目は取り返されてしまいます(どんだけ対応されるんだw)。
当然リュウをくり出します。
1セット目から起き攻め時にはひたすらバクステを擦り続け、ひたすら打撃で狩られていました。負けじと擦り続けたかいもあり、ここぞという時のコマ投げを避けることがあり、ペースを掴む。一進一退でしたが、最後はミカの起き上がりにしっかりと技を重ねて、カウンター確認からチェストー昇竜で勝利。
ウォーロードを倒してルーザーズ第三戦を突破しました。
・第四戦 対ひかりん戦
お相手はスト4からの強豪プレイヤーのネカリ使い、ひかりんさん。
その甘い声とは裏腹な、強烈なネカリのプレイスタイルが印象的なプレイヤーで、とてつもなく強い。
1セット目、サガットを選択。
これまでで一番リラックス出来た状態で臨めており、対空はほぼ100%出ていた。また相手のミスもあり、1ラウンドを先取。
しかし2ラウンド目に悲劇が起こる。
トリガー発動中、
サガット渾身の大p確認スパイクCAがスカってしまう。
これは相手の技に差し返しの形で大pが当たったために起こった珍しい状況であった。そのミスから一気に捲られてしまい、ゲージ状況不利で3ラウンド目に、当然そのラウンドも取られてしまった。
ここでもリュウを選択。
一進一退の勝負を繰り広げたが、惜しくも敗北。
僕のEVO Japan2019はここで終わりました。
勿論悔しさは残りましたが、やってはいけない大きなミスもなく負けてしまったので、そういう意味では今の持てる力を出しきった結果だと納得しました。
全体の感想と今後
改めて、S4から本格的にサガットを練習してきて、しっかりと1セット目を取ることが出来たことに、自分がやってきた練習は間違いなかったことを実感出来ました。
特にサガットだけで勝利したルーザーズ初日のいぶき戦は大きな自信に繋がったのを覚えています。
しかしながら、まだサガットだけで勝ちきる力は少ないのだということも痛感しました。
そして、ここまで自分を導いてくれたリュウ。相棒として存分に力を発揮してくれました。うちのサガット君が1セットしか取らないもんだから、最後の締めをしっかりリュウが取った形でした。
これまでの取り組みが間違いなかったことを実感すると共に、また新しい取り組みをしなければこれ以上上にはいけない、強くなれないことも感じました。
今後はしばらくリュウ、サガット以外にも新たなキャラクターを練習することで、ストリートファイターVをより相対的に捉えられるようになろうと思います。
近日中にレインボーミカ、ベガ、バーディーの練習を始めようとか考えています。
リュウとサガットでは磨くことの出来ない部分を、彼らを練習することで身につけようという算段です。
またキャラクターの魅力の面では“さくら”にも目をつけています。ベースが胴着キャラクターなので、違和感なく入っていけるのかなと思います。
自分の引き出しをさらに広げるためにも、多くのキャラクターに触れてみるのも、また上手くなるための一つの方法なのではないかと考えています。
これからもより強くなるために、様々な方法を試していきたいです。
【スト5】キャラ自虐の思考パターン(2021年3月更新)
※2021年3月更新:記事内容に若干の修正を加えています
はい、今回はかなりのネタ記事になるので、それを承知で読み進めてほしいです。
今回のテーマは“キャラ自虐の思考パターン”ということで、キャラ自虐をするにも感情的なパターンだけでなく、戦略的な自虐もあるのではないかと考え、自虐のパターンやその背景を考察することにしました。
弱キャラ使い、中堅キャラ使い、強キャラ使い全てに共通する内容も盛り込む予定なので、気になった方は続きをどうぞ。
キャラ自虐のパターン
まずはこの疑問から考えていかなければなりません。なぜ人は(格ゲーマー)自キャラの自虐をしてしまうのか、そこから出発しなければこのテーマは語れないでしょう。まずは考えうるパターンを挙げていきます。
1.自キャラが弱いことへの絶望(強キャラへの妬み)
2.キャラ相性が悪い相手キャラへのヘイト
3.心理的ストレスの軽減
4.自虐を広めることで、次回の調整で強くしてもらう
とりあえずいくつか挙げてみました。次はそれぞれ詳しく見ていきましょう。
1.自キャラが弱いことへの絶望(強キャラへの妬み)
これはキャラ愛の裏返しとも言えますが、これは前提条件を改めて厳密に定義しなければなりません。
1に該当するのはそのキャラのことが本当に好きで、自分のキャラが何故か弱いというパターンのみです。つまり“弱い”から“好き”という弱キャラ好みのプレイヤーはこれには該当しません。逆に“好き”なのに“弱い”という場合のみ、この1に該当します。
例えばキャラクターのビジュアルが好き、声が好き、ストーリーや背景が好き、等々キャラクターの強さに関係ない部分でキャラを選択するプレイヤーは一定数存在します。そうしたプレイヤー達が、「なぜ自分の好きなキャラが弱いのか、好きなキャラが弱いのは我慢ならない!」という考えを基に、キャラ自虐するという流れは想定出来ますよね。
しかしあくまでも、“好き”なのに“弱い”という順序が成立してこその話で、後に述べる心理的ストレスの軽減を目的としたり、自分の腕を認めてもらうというような動機からではこのケースには該当しません。
2.キャラ相性が悪い相手キャラへのヘイト
これは相性が悪い、もしくは強い性能や尖った性能を持つキャラクターに対するヘイトの意味で使うキャラ自虐になります。
「(尖った性能の)あいつの技に比べて俺のキャラは~」
「あのキャラまじクソ、◯◯ばっかり振りやがって~」
とこのような感じで相手のキャラの個性を全否定しながら、自キャラの強いところは無視する姿勢がこのケース2に当たります。
このパターンは単純に相手のキャラクターへのヘイトが大きすぎるだけの場合もあるのですが、相手の個性である強みを見すぎるあまり、本来は十分な性能を持っているにも関わらず、アクロバティックな自虐を披露するケースも多いのでかなりケースバイケースです。
今まで見たことがある中では、
(ガイルのリバスピに文句を言いながら)
赤星を振りまくる豪鬼プレイヤー
「赤星弱いなあ…」
ただ、勘違いしてほしくないのは他キャラへの文句自体は言って良いのです。例えばネモさんもザンギエフに対しては常に“人生の無駄”と言い切っていますよね。
あのキャラ嫌い、コンセプトがつまらんという意見と、あのキャラに比べてなんでというのは全く異なる意見なので注意が必要です。
ちなみに僕も自分だけ端攻め強くて、逆に端に追い込まれたら一方的に逃げていく以前の(S2、AE初期)ラシードは大嫌いでしたw(今は嫌いじゃないですよ!)
3.心理的ストレスの軽減
このパターン3は、
「(相手に負けた時には)キャラが弱い、(相手に勝った時は)自分が強い」
というような最高のメンタル維持システムになっています。自分の責任が介入しにくい思考パターンなので、恐らく格闘ゲームを楽しむだけなら最高の方法と言えます。
そのためには常に自キャラが弱いことを衆知させなければならないので、ある程度弱い部分を広めていきます。しかし実はこの3番のケースには派閥が存在していて、過激派と穏健派に分かれています。
過激な心理的ストレス軽減派が、穏健な心理的ストレス軽減派の想定を越える自虐を展開することもあるので、度々意図せずヘイトを集めることがあります。
4.自虐を広めることで、次回の調整で強くしてもらう
こちらのパターンは非常に戦略的です。
CAPCOMは客商売ということもあり、どうしてもユーザーの意見は拾わなければなりません。そういった中で、「声の大きさ」は非常に有効な手段になります。
特にシーズン毎に調整が変化するストリートファイターVでは、プロシーンの中でも調整が大きな転換点になっています。
それほどに調整というのは多くのプレイヤーを左右する出来事です。ここに向けて全力で自虐することにより、CAPCOMの調整材料としてもらうのです。
そのシーズン内ではあまり有効な手段ではないですが、長期的にみればかなり戦略的と言えるでしょう。
例えばリュウはS4になってようやくかなりの大きな調整を受けることに成功しました。
※シーズン5でさらに爆発的な強化を受けました。強キャラの仲間入りです。
これはS2から登場した豪鬼との差別化が全く出来ていなかったために、リュウ使い達の多くがどうにかしろと叫んだことが影響していることは間違いないでしょう。
僕自身も波動を強化する方向で豪鬼と差別化をしてほしい、
ウル4のような波動の緩急をつける調整がほしい、
と言い続けていたらまさかの波動の緩急がS4にて実装されました。
もうリュウが自虐するにはキャラ相性か、トリガー位しかないというレベルまでのアッパー調整を受けています。
※シーズン5でVトリガーも超絶強化されました。とっても強いです。
これもS2から約二年間、リュウ使いの声が世界的に大きかった(使用率の面から仕方ないが)ことが起因していると考えて良いと思います。
まとめ
キャラ自虐には様々なパターンが存在しますが、その背景は人それぞれあるので、自虐を見たり聞いたりしたら、まずはどのパターンに属しているのか考えてみましょう。
そうしてパターンに当てはめてみれば、自ずと感情的な反論は無意味だと気づくし、なるほど戦略的に自虐してんだなーと冷静にもなれます。
特にパターン3と4に関しては、1と2よりも戦略的に考えて自虐するタイプなので意外と分かり合えるような気がします。
逆に1と2は“ガチ”の場合が一定数いるので、注意が必要でしょう。
身の危険を感じたら早々に距離を取ることをオススメします。Twitterであればミュートやブロック、リアルならあまり話さないようなするなど工夫がいるかもしれません。
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※【番外編】 “イケる”
自虐とは別に“強がり”に近い、いわゆる“イケる”と言うものがあります。
特にこれは上級者が使う傾向にあるのですが、
「ん?この組み合わせ?まあ、
(普通にやったらかなり厳しいけど、俺が使えばなんとか)イケる」
というような感じで使う場合があります。
これは厳しい、辛いと認めたくないという心理や、普通なら厳しいが俺ならイケるというような暗示に近い思考パターンからきています。
パンピーの我々はあまり信用し過ぎない方が、メンタル的に良いので話半分で聞くと良いでしょう。
もちろん上級者の対策的な部分はがっつり参考にしましょうね。
終
【報告】EVO Japan2019の結果報告(1日目)
悔しくて、楽しかったEVO Japan2019
今回は先日参加してきたEVO Japan2019についての結果報告記事になります。内容的には大きな収穫と、悔しさの残るものになりました。その模様を今回の記事では伝えられたらなと考えています。
ちなみに記事は1日目から3日目(3日目は帰宅の話)に分けて書いていきたいと思います。
【1日目】
会場は福岡国際センター。
入場するとすぐにネームと自分のプールを書くように促されました。会場はストリートファイターV以外にも、KOF14やソウルキャリバーの予選も行われており、非常に人が密集していました。自分のプールに移動するのにも困難なほどの混雑で、会場には熱気が籠っていました。
僕自身の初日の試合は14時30分からと遅い方の試合。
13時からの早めの試合に出場している知り合いのプレイヤーを応援しているうちに、ついに自分の対戦の時間に。
初戦の対戦相手はキャミィ使いの方。
EVO Japanに向けて練習を続けてきたサガットを選択して、試合に臨みました。
内容を一言で表すなら…
「終始ヒヨって負けた」
大会の初戦で緊張していた、
サガットでの初めての大舞台、
試合途中でのミス、
あらゆる条件が重なったことで何一つ自分の良いところが出せずに負けてしまいました。もう少しリラックスして臨めればもっと良い勝負が出来たはずなのですが、ガチガチになってしまいいつもの動きが出来ませんでした。
初戦でルーザーズ落ちしたことで、次の試合は16時30分からと待つことに。
待ち時間の間はストリートファイターVのアーケード版のロケテストがあったので、そちらで練習したり、各企業ブースに立ち寄ったりなどしていました。コラボしていたハイスコアガールも買ったよ。
さて、そんなこんなしているうちにルーザーズの時間となり、自分のプールへと移動。
そこで待っていたのは…
二連続の不戦勝
確かにウィナーズの時点で該当するプレイヤーがいないと思っていたのですが、二回連続とは…
一時間間隔で試合が組まれているために、2時間試合が出来ず、不戦勝かの確認のためにコンクリートの上でひたすら待ちました。
さて、ようやく3回戦目で女性のファルケ使いのプレイヤーとの試合に。そして始めようとしてすぐに、にゃんしさんから配信台との指示が…
ここで配信台で試合することが突如決まり、移動。
試合は相手の女性プレイヤーとの力量差が少しあったために、試合内容としては終始圧倒。
配信台での試合も何とか勝利することが出来ました。
そして初日のルーザーズ最後の試合。
相手はいぶき使いのプレイヤー。
私は迷わずサガットを選択しました。
理由はEVO Japan直前にマスターに上げようとランクマッチに励んでいた時に、サガットでのいぶき戦の勝率が良かったからです。
リュウを選択するよりも、相手がサガット戦になれていない可能性もあるためサガットを選びました。
試合は落ち着いた展開から、サガットのVT2でのCAや対空もしっかり出ていたこともあり1セット目を先取。
しかし続いての2セット目は、相手の方のプレッシャーが強くなり、捌ききれずに取られてしまいました。
ファイナルセット。
このセットを取れば二日目に残ることが出来るという大事なセット。
選択したのは……
S4が始まってから本格的に練習を続け、ようやく形になってきたサガットで自信をつけるにはこの舞台しかない。そう思って選びました。また取られてしまった第二セットも内容自体は悪くなく、このファイナルセットを取れる自信もありました。
フルセットフルラウンドまでもつれる展開で、最後はお互い体力あとわずかの状況。
序盤から見せていた弾の圧力で飛ばせ、しっかり倒しきりのEXタイガーアッパーカットでの対空で何とか勝利。
これで二日目へと駒を進めることが出来ました。
安堵の感情と共に、それまで溜まっていた疲労がドッと溢れて来ました。食事をした後に、部屋に戻ったあとはすぐに寝てしまった程でした。このような大きな大会で二日目に残ることが出来たのは初めてのことだったのでとても嬉しかったです。
こうして初日の予選をルーザーズで抜けることが出来ました。次回は二日目のEVOの模様を伝えていこうと思います。
これだけは理解して欲しいフレームの話
とりあえず知って欲しいフレーム知識
今回はフレーム知識を本当に噛み砕いて、暴れ潰しやそれの対となる投げ、投げ抜けの攻防を理解して頂こうというのがテーマになっています。
何故このテーマにしたかと言うと、
「フレーム覚えるのめんどくさい」
「良く分からない」
と言う話をよく耳にしたからです。
深い所までは理解せずとも本当に初歩的な部分は理解した方が格闘ゲームを楽しめるはずですし、見ていてもどんな攻防が行われているか理解出来て、さらに楽しくなってきます。
1.フレームとは
フレーム(Frame)=格闘ゲームにおける時間の単位のこと。
1f=60分の1秒
つまり…
60f=1秒
格闘ゲームにおいては、このフレームという単位で技の発生や持続、硬直などを表します。
例)
発生12f
持続6f
硬直30f
という技があったとします。
・発生が12fなので、技の攻撃判定が出るのに0.2秒かかることが分かります。
・持続は6fなので、その攻撃判定が最初の発生したフレームと合わせて0.1秒続くことを意味します。
・硬直は30fなので、技の後の隙が0.5秒あるという意味になります。
また、さらにこのフレームの知識の中で大切なのは、
“硬直差”
という概念です。
簡単に言えば、
(ある技をヒットorガードさせた時に)
「どちらがどのくらい先に動くことが出来るかを表したもの」です。
これを格闘ゲームで表記する場合、
(先に動く/後に動く)
◆「有利フレーム/不利フレーム」
◆「+フレーム/-フレーム」
◆「+◯f/-◯f」※◯には数字が入る(例+2f)
等と表現します。
これらの知識を理解してから、次の暴れ潰しの内容に入っていきましょう。
暴れ潰しとは
「格闘ゲームはターン制である」
と以前にも書いたのですが、あらためてその意図と暴れ潰しの原理を解説していきます。(「ずっと俺のターン」は許してくれません)
ストリートファイターVでは一番早い打撃の発生は3fです。今回は相手がこちらの技をガードして最速でこの3fの技を打ち返してくるという想定で話を進めていきます。
例)+2f(2f先に動ける)の状況
◆自分は発生5fの中攻撃
◆相手は発生3fの弱攻撃
フレーム上では同時に技がぶつかることになりますね。
しかし実は“相打ち”とはならないんです。
何故ならストリートファイターVには“ヒットレベル”という仕様があるからです。
※ヒットレベルとは
弱<中<強<投げ
同時に攻撃判定がぶつかった際は、優先度の高い方のヒットが成立するという仕様。
今回の場合は自分の中攻撃と、相手の弱攻撃が同じタイミングでぶつかっていますが、こちらの中攻撃の方がヒットレベルが高いため、相手の弱攻撃を潰すことが出来るのです。
こうした相手の最速の打ち返しを潰していくことを“暴れ潰し”と言います。
暴れ潰しの連携はキャラクター毎にあるので連携は調べるか、フレーム表でさっと確認しましょう。
硬直差の所に+◯fと書いてあれば、あとは次に振る技の発生が相手の暴れを潰せるか計算するのは簡単ですよね?(もし+3fなら、次は6f以下の技であれば潰せます)
※代表的な暴れ潰しの例
暴れ潰しの連携を覚えあとは…?
暴れ潰しの連携を覚えたら、次にやることはその連携の途中で投げることです。相手は暴れられない連携が来ると予想しているので、投げにいくのは咎められにくいでしょう。
実際の対戦において、どんな選択肢があるのか例を挙げて解説します。
例)ネカリ
①暴れ潰し連携
弱k→中k→屈中p
②一段目で投げに移行
弱k→投げ
③二段目で投げに移行
弱k→中k→投げ
途中で暴れ潰しの連携から投げに切り替えることによって、相手に投げと打撃の“二択”を仕掛けます。実際は投げるには少し歩かなければならないので(一部キャラはその場で投げが届く)、相手が暴れを選択していた場合は、投げようと歩いているところに暴れを食らってしまいます。
逆に言えば相手の癖を読み取り、相手に暴れる癖がついているのなら暴れ潰しの連携を組んで、潰してあげれば良いのです。
では次に、相手がこの投げに対して“投げ抜け(グラップ)”で防御してきた場合です。
相手の投げ抜けを狩る選択肢としては、投げると見せかけて後ろに下がるという方法があります。
これを、
「グラップ狩り」、「シミー」
等と言ったりします。
※投げ抜け狩りのイメージ(追記2019年3/10)
①投げるフリをして後ろに下がる
②投げの範囲の外からコンボ用の打撃を撃つ
③投げ抜けモーションが出るのを確認してコンボに繋げる
投げに行くと見せかけて、一瞬後ろに下がってからコンボ用の打撃を振ります。投げ抜けが空振りすると大きな隙が生まれるので、そこに打撃を叩き込む感覚です。
実際には投げ抜けを見てから押すのではなく、後ろ下がりから打撃までは入れ込んだ上で、投げ抜けモーションがスカるのを確認してコンボまで繋ぐというのが基本です。
投げ抜けモーション自体の硬直は見てから狩るのが非常に難しいため、打撃を打つところまでは入込み、コンボにするかしないかだけを判断するようにします。
まとめ
これであなたは、
①「暴れ潰し」
②「投げ」
③「投げ抜け狩り」
の3つの武器を手に入れました。
これらはストリートファイターVの
“三種の神器”
と言っても過言ではありません。
細かなことは後々覚えれば良いのです。
この“三種の神器”を使えば、
暴れて来る相手には「暴れ潰し」を、
投げ抜け出来ない相手には「投げ」を、
投げ抜けしてくる相手には後ろ歩きで「投げ抜け狩り」を…
このように武器を切り替えて戦えるのです。
フレームは難しいイメージが付きまといますが、シンプルに理解していければ良いと思います。
相手よりも先に動ける状況をいかに作るか、それが上達していくための一つの道筋です。
「先んずれば人を制す」
こちらの故事を引用して、今回の記事の結びとします。
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12月のデータと一部比較しながら考察していくことにします。
ダイヤグラムの推移
まずは前回の全体勝率順位から比較していきましょう。上位13キャラの特徴や共通点、その推移などを見ていきましょう。
【前回】
(※上位13キャラ 2018年12月)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【今回】
(※上位13キャラ 2019年1月)
まず上位4キャラは変わらず、ユリアン→ベガ→バルログ→ダルシムの順となりました。また今回、次点の5位に来たのはなんとブランカでした。
上位13キャラの中で変化があったのは、13番目のキャラがアビゲイルからかりんへと変わったことです。やはりS4の調整が向かい風となっているのでしょう。逆にかりんは体力の増加がランクマッチでの安定性に繋がったことでこの位置にいられるようになったと考えられます。
全体の感想としては、
「やはり“溜めキャラ”の勝率が著しく高い」
ということです。
また特殊な動きや対策が求められるキャラの勝率も高めで、ダルシムやファン、バルログといったような変則的なキャラのある意味強みと言えるでしょう。
またバーディーの勝率が下がった背景には、Vトリガー2が騒がれ始めたことがあるかもしれません。まだ慣れていないVトリガー2を練習するプレイヤーも多かったのではないでしょうか。
使用率の推移
次に使用率の推移を見ていきましょう。上位5キャラ、下位5キャラに絞って比較します。
【前回】
(※2018年12月)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【今回】
(※2019年1月)
いわゆる“胴着キャラ”が上位4つを独占しています。使用率1位のリュウは前回よりも約0.6ポイント上昇し、さらに使用率が高まっています。また豪鬼についても前回よりも使用率が上がっています。
新キャラの影なる者は前回の、8.9%から6.7%まで下落。リュウや豪鬼の使用率が上がっている背景には、リュウや豪鬼を使っていたプレイヤーがお試しで使用していたが、結局乗り換えることはしなかったということが考えられます。
そして5位には大きな変化が現れました。
使用率5位の座がガイルからザンギエフへと変わっているのです。
つまり、
ザンギエフはマイナーキャラどころか、使用率トップ5のメジャーキャラなのです!
ガイルは大きな下方修正を受けたために、乗り換えを検討しているプレイヤーもいたのでしょう。逆にザンギエフは上方修正を受け、サブキャラとして練習したり、ザンギエフに復帰しようというような動きがプロゲーマーの中でも現れたりと注目度は一気に高まりました。そうした要因もザンギエフ使用率5位に位置する背景にあるのかもしれません。
下位5キャラは面子自体に変化はありませんが、メナトが1%を割ってしまう事態に陥っています。下方修正を受け、新たに乗り換える人も居らず、さらにマイナーなキャラになってしまいました。逆にファンは不動の最下位かと思われていましたが、少しずつ使用率が増え始めています。後数ヶ月後にはメナトを追い抜く可能性も出てきました。
また使用率の低いキャラの中でも勝率が高いのがブランカ、ダルシム、ファンで(5.100以上)、ファルケがそこそこ(5.051)、メナトが低い(4.781)状態になっています。
(※2019年1月)
使用率が低ければ珍しさが強みに働き、勝率が高いこともありますが、現状のメナトはそういった要素もないようです。勝率が低いことも相まって、今後はさらにメナトの使用率が低下していくのではないかと予想します。逆にファンは勝率も高いので、乗り換え含めて若干増えていくのではないかと考えられます。この2キャラの使用率が逆転するのも時間の問題でしょう。
まとめ
大きな変化として、アビゲイルの勝率低下とかりんの台頭、バーディーの若干の勝率低下(サブキャラ開拓とVトリガー2が影響か?)、メナトの勝率、使用率両方の低下がありました。
また前回と同様、溜めキャラの勝率が非常に高いことは変わっていません。
今後、行われる可能性のあるバランスの再調整や新キャラの追加などが行われればまたゲームシーンは変化していくでしょう。S4が今後どのような動きを見せるのか、注目し続けていく必要があります。
ストVの差し返しのコツとは?(※2021年1月更新)
“見てから”の差し返しは意外と少ない?
今回のテーマは難しいイメージのある“差し返し”について書いていきたいと思います。
原理から、実際のコツまで解説していけたらと考えていますので、まずは基本的なことから入っていきましょう。
・差し返しの原理
差し返しとは、
相手の打撃が空振りした際の硬直中に攻撃をすることを言います。
簡単に言えばボクシングのカウンターのようなものです。
ストリートファイターシリーズは昔からのシステムで、弱中強によって技の性質変わります。
弱技はリーチが短い代わりに、発生や隙が少ない。
強攻撃はリーチが長い代わりに、発生や隙も多い。
中攻撃はその中間くらいの性能、といったようなシステムです。
差し返しとは大まかに言えば、
“隙の大きい強攻撃”や“硬直が長めの一部の中攻撃”に対して狙うもの
と理解して下さい。
・実戦でのやり方
大まかに差し返しを狙う場合の方法にはいくつかのやり方が存在します。ここでは差し返しが発生する大体のパターンについて説明していきたいと思います。
1.隙の大きな強攻撃をガードするタイミングでボタンを押す
ラシードの屈強pやネカリの立強kは技の硬直や食らいの判定が最後まで残っていることもあって差し返しが容易な技になっています。
そのため技のモーションを“見てから”ボタンを押すと、ほぼガードするタイミングで技が出るようになります。
そうすると空振りしていた場合だけ自動的に差し返しが可能になるのです。
これらの技以外にも、ベガのアックスやケンの立強k、いぶきの梵鐘蹴り等もボタンを押す癖をつけておくと良いでしょう。
2.グラップ後、特定の技をガードさせた後などの確定的な状況
グラップ後や牽制技をガードさせた後というのは、格闘ゲームの中で起き攻め等を除けば数少ない“確定的な状況”と言えます。
そういった確定的な状況で相手が何をするかをよく観察し、癖があればそれに対して“差し返し”になる技を選択する、
というのがこの方法になります。
トレーニングモードで差し返しになる技を探すという地味な作業が必要ですが、細かな部分で差をつけることが出来ます。
ただこちらは厳密に言えば“見てから”の差し返しとは異なります。
またもう少し“読み”を入れると、“動いた確認”でボタンを押すという方法もあります。
確定状況の後に動き出した初動に対して足払いなどを決めるのです。相手が隙の少ない技を選択していた場合にはガードされてしまうので、こちらも相手の癖を読んで使っていくものになります。
3.相手のしゃがみに合わせて足払い
こちらは梅原さんがストリートファイターⅣにて、Infiltration選手との10先で何度も差し返しを決めていた時の方法になります。
この方法については後にインタビューで彼自身が語っているのでそちらを確認して頂いた方が早いかと思います。
(「勝負論」発売の際のトークイベント)
(12分頃~)
要約すると、
立っていたキャラクターがしゃがむということは、何かする。
だったらしゃがみに合わせてこちらもしゃがんだり、大足で差し返せば良い。
とのこと。
※2020年のCPTオンライン
ウメハラvsときど
ウメハラ選手はこの時と同じ理屈で何度も差し返しを決めている。
4.牽制誘い差し返し
歩きの速いキャラクターに顕著な方法ですが踏み込みを何度か見せて、前進を止めようと相手が長めの牽制技を振るようになったとします。
そうなった場合に一瞬踏み込みを見せてから後ろに下がり、差し返し用の技を置いておくのがこの方法です。
こちらも本来の見てからの差し返しとは異なります。
事前に布石をしっかりと打ち、相手の行動を誘導してから差し返しになるようなタイミングで技を置くのがこの方法です。
こちらも“見てから”ではないので実際には置き技仕込みの範囲に含まれるかもしれません。
まとめ
難しいイメージの差し返しですが、大体のパターンが見えてきませんでしたか?
実際には完全な“見てから”の差し返しは上級者同士の対戦でも少なくて、事前の誘いがあればこそなのです。
相手の行動を誘導することによって、読みでの差し返しの成功率が上がってきます。
見てからの差し返しに囚われるのではなく、相手を動かしながらの差し返しを心がけてはどうでしょうか?
相手に少しでも差し返しを意識させることが出来れば、自ずとボタンを押す回数が減ってくるので前ステや前歩きがより通るようになるはずですよ。
終
【ゲーミング読書】五輪書 水之巻(宮本武蔵)
少し時間が経ってしまいましたが、宮本武蔵著の五輪書の続きになります。
今回は水之巻と言うことで、彼の兵法の心得の基本的な部分が書かれている巻です。全てが格闘ゲームに通ずるかはさておき、非常に学ぶことの多い箇所をピックアップしていきます。彼の考えを今後の格闘ゲーム、ひいては人生に活かしていきたいと思います。
※内容的には兵法三十五箇条も引用しています。
一、兵法心持の事(へいほうこころもちのこと)
「心の持ちやうは、常の心に替る事なかれ。」
→兵法において最も大切なのは“平常心”である。
・武蔵の言う、平常心とは?
1.広い視野を持ち、正直(穿った見方をしない)
2.緊張し過ぎることも、弛み過ぎもしない
3.一つの事柄に執着し過ぎず
4.静かな時も油断せず、有事の時も動揺しない
5.心は身体に引きずられず、身体も心に引きずられない
6.心の表面上は弱く見えても、本心には強い心を持つ
→あらゆる“~過ぎ”を嫌い、いわゆる“中庸”を重んじている。また身体と心が一体であることは否定せずとも、引きずられないよう訓練すべきであると説く。
⇒格闘ゲームにおいては、対戦中のミスが当てはまるだろう。ミスをした瞬間に心は動揺してしまう。そうすると、その動揺は操作する手に作用し、また次のミスを誘発する。これを防ぐためにはミスに動じず、身体のミスに心が引きずられないことだ。心が引きずられなければそこでミスが終わるのである。
一、兵法の目付といふ事(へいほうのめつけということ)
「観見二つの事、観の目つよく、見の目よはく、遠き所を近く見、ちかき所を遠く見る事、兵法の専なり」
→目でもって、対象の一部、一点のみを見ることを“見の目”、心でもって全体を観察するかのように捉えるのが“観の目”。
戦っている最中は相手の一部しか見えなくなるもの。例えば相手が両手を振りかぶってきた場合、その腕だけを見てしまうだろう。武蔵はむしろ近い間合いでこそ、全体を俯瞰するように捉えて相手の動きを察知するべきだと言う。つまり直接的には腕を見ずして、全体の動きから相手の行動を予測せよとのことなのだ。
⇒格闘ゲームにおいても、どうしても対戦キャラクターの動きばかりに目がとらわれて、肝心のゲージや間合いに意識が働いていないことがある。普段から相手のキャラクターだけではなく、画面全体を観る意識を強めていくべきなのかもしれない。
一、敵を打つに、一拍子の事(てきをうつに、いちひょうしのこと)
「(中略)敵のわきまへぬうちを心に得て、我身もうごかさず、心も付けず、いかにもはやく、直ぐに打つ拍子也。」
→敵がまだ心の準備が出来ていないうちに、気づかれないように素早く攻撃する拍子のこと。相手を良く見て、この拍子を把握してその拍子をはやく打つことを鍛練すべきと武蔵は説く。
非常に武蔵らしい考え方で、相手の心の隙を突く、油断に漬け込むことを是とし、これを日々練習しなさいと書いている。
⇒一拍子とは格闘ゲームではどんな瞬間だろうか?
対戦が始まって直後や、不意の打撃が当たった時など、予想外の状況に出くわした時が武蔵の言う一拍子に当たるのではないか。ここで相手がどの程度動揺しているか、いかに早くその動揺を攻撃出来るかを鍛練すべきなのかもしれない。
一、二のこしの拍子の事(にのこしのひょうしのこと)
「敵の気のはやきには、我身と心をうち、敵動きの迹を打事」(兵法三十五箇条より)
→敵が警戒している場合には、身体と心を使って相手を動かし(防御させ)、その動きの隙を打つべし、とのことだ。相手が警戒していることを読み取り、こちらの一挙手一投足で相手の動きを誘導し、その動きの後に生じる隙を突くわけである。
⇒例えば中足が当たるか当たらないかの距離まで踏み込んだとしよう。そこで相手の取る選択肢としては、歩きに対して技を押す、更に後ろに下がる、ガード、といった行動がある。そこで再びこちらが少し下がって差し返しになる技を置けば、相手が歩きに対して技を出していた場合に差し返しとなる。
こうすると相手はこちらの歩きに対してボタンを押しにくくなり、さらに踏み込むことが容易になる。格闘ゲームにおける“二のこしの拍子”と言えるだろう。
一、無念無相の打といふ事(むねんむそうのうちということ)
(敵も打ちださんとし、我も打ちださんと思ふ時、)
「身を打様にして、心と太刀は残し、敵の気の間を空より強く打つ」(兵法三十五箇条より)
→かなり難しい表現のため、難解で確定的なことは言えない。身体は打つ姿勢を取るが、心と太刀(手元)はまだ動かずにそのまま、そして後から続くように空から強く打つ、ということらしい。まず“空”という概念が非常に難解だ。これは武蔵の説く意味では、“空”という感覚から刀を操るという意味のようである。
まず刀を振るう場合、
「敵に当てたい、倒してやる、こいつムカつく」
等々、様々な感情から刀を振るっていることが考えられる。
また、
「相手がこう動いたら、こちらはこう動く、」
「こちらがこう動いたら、相手はこう動くんじゃないか…」
等思考を伴って行動してしまうのが常である。
しかし武蔵はその“思考”や“感情”を越えた“空”で動くことを説いているのである。
⇒歴戦の猛者達の昇竜拳パナシが当たるのも、この“空”の境地に入りかけているのかもしれない。ウメハラさんのパナシは、確かにここぞと言うときに当たるイメージがある。
あれも、
「どうにかして当てたい!」
「固めやがって、いい加減にしろ!」
というような強い感情や思考といった所からは離れてしまっているように思える。
だからこそガードされた時も顔色一つ変えずに飄々としているのかもしれない。
水之巻 まとめ部分
(中略)
「けふはきのふの我にかち、あすは下手にかち、後は上手に勝つとおもひ、此書物のごとくにして、少しもわきの道へゆかざるやうに思ふべし」
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」
→「一日一つずつ強くなる」
まさに梅原大吾さんの言葉と全く同じことが武蔵によって最後説かれている。
いきなり高みを目指すのではなく、一つ一つ段階を経て、脇道(邪道)に逸れることなく日々鍛練を続けてこそ境地に至ることが出来ると武蔵は書いている。
格闘ゲームでも同じだ。いきなりプロゲーマーを倒そう、追い越そう等と張り切った所で、彼らが辿ってきた練習や経験を経ていない未熟者がいきなり勝てる訳がない。
やはり一日一つずつ強くなり、間違った練習をせず、脇道に逸れることをしなければ自ずと格闘ゲームも上手くなっていくだろう。
昨日の自分よりも今日の自分、今日の自分よりも明日の自分の方が上手くなっていると自信をもって言えるように、日々練習を続けていきたい。
次回は五輪書、火之巻の予定です。
※未完